病院実習開始で垣間見える人間の本性

もうすでに全国的に医学部生の病院実習は再開しているところがほとんどです。が、ついに北里大学医学部で医学生がコロナに感染したそうです。

病院実習

医学部の高学年(5年生、6年生)では病院で実習を行います。今回は実習における”実習班”について書いてみます。

まず、実習班は5〜7人くらいで構成されています。定員などが大学によって違いますし、留年している数が多かったりで班の人数は大学により、学年により多少違ってきます。

この実習班がどうやって決まるかというと、だいたいが学籍番号順で男女と留年生割合とかを勘案しながら決まっていくと思います。

この実習班で大学病院の各科を1週〜4週かけて順繰りにローテーションして実習していきます。通常、5年生が大学病院で6年生で大学病院か大学病院外の市中病院を実習することになります。

実習で見えてくる人間の本性

よく医学部では『病院実習回っていると今まで普通だと思っていた人の本性が出てきてビックリすることがあるよ。』なんて言われています(少なくとも自分の大学では)。

自分の実習班のメンバーは真面目でまともな人間しかいないと思っていました。実習が始まる前と始まってすぐぐらいまでは・・・。

そうなんです。やっぱり、普通でまともだと思っていた人の本性がそうではなかったのです。

とある人は、4年生までは普通に真面目な人だったんですが、とにかく実習は楽をしたいらしく、どうにかして自分が楽になることしか考えていません。とある診療科を回るときに全員が同じ手術や手技や検査をみるわけではないです。診療科はグループ(産婦人科でいえば腫瘍グループ、不妊グループ、産科グループなど)に分かれています。なので、学生もこのグループ毎に振り分けられます。当然、楽な科と忙しい科があります。

そこでこの”楽したい人”はなんとしても毎回楽なグループに行きたいのでこう言います、

わたし、この科のグループに将来進もうと考えてるから優先して!!

一回くらいならいいのですが、基本的に毎回言います。毎回言うから誰も信じてないよってのがわからないみたいです。で、毎回その申し出は却下されてアミダくじとかで決めるのでハズれると怒り出します。

もう付き合いきれないのであまり関わらないようにしています。

ゆずらない男

毎回アミダくじでグループ決めをするのですが、2連続で忙しいグループに当たるとキツイのは確かです。完全に「くじで決めたから・・・」ということで2連続忙しいグループになった人を見放してもいいのですが、実習は助け合い、たまには交代してあげたいというのが人の情です。

しかし、とある30歳オーバーの自己中男は違いました。

自分が忙しい時に変わってもらった相手が2連続で忙しいグループになった時に変わってあげなかったのです。ついに、自分は変わってもらったのに一度も他の人と変わることはありませんでした。

それに加え、アミダくじや決め方のミス(結構決め方が複雑になってしまう時がある)を突いてきて、自分の意に沿わない結果になった時に再調整をコールしてきます。

再受験生と学士編入

こういった病院実習で悪い本性が垣間みえてしまうのは残念ながら再受験生と学士編入生に多いです。本来、年齢を重ね、大人のしての余裕があるはずなのですが、実際はそうではないケースが多いです。

もちろん、再受験生や学士編入生でも立派な人はいますが、割合としてはダントツで高いです。

もちろん、再受験生や学士編入生以外の若者でもしょうもない人も多いですが・・・。

後期研修を見据えた病院見学

もう既に病院見学を10以上してきました。すればするほど新たに見えてくる世界があるのでけっこう面白いです。

初期研修先としての病院探し

医学生における病院見学とはつまり初期研修先の病院を見定める行為であると言えるだろう。これが初期研修医になると後期研修の病院探しとなる。

初期研修医はおしなべて忙しいものである。であるからして初期研修医をしている時にに後期研修医先の病院見学に行っている時間はあまりないと言えるだろう。

だから、医学生時代に後期研修医を見越した病院見学を行なっていくことは非常に重要である。

でないと『後期研修よくわからんから、大学の医局に入るかなぁ・・・』なんて思考停止に陥りかねない。

後期研修とは

後期研修とはつまり専門医を取る過程であると言えるだろう。

後期研修を行うには各都道府県に割り当てられた診療科ごとのプログラムに登録しなければならない。

ここで難しいのは全ての病院の診療科がプログラムを持っているわけではないということなのだ。

プログラムをもつためには指導医の人数や施設の基準などがあり、これを満たさないとプログラムが認可されない。

通常、基幹病院と連携病院というグループに分かれており、基幹病院がプログラム責任施設となり連携病院を束ねていくことになる。

この基幹病院とか連携病院というのは病院単位ではなく診療科単位で認められる。つまり、◯◯病院は内科、外科、産婦人科、小児科の基幹病院ではあるが、整形外科、麻酔科、泌尿器科は連携病院である・・・ということが生じる。

ということは、初期研修先が自分の行きたい科の基幹病院であると、後期研修医として採用の確率はほぼ100%だし、なにしろ引っ越し等が必要ないので公私共々シームレスな移行ができる。

基幹病院と大学医局

都心部の有力大学(東大、京大、阪大、九大、東北大、慶応)などは有力病院を関連病院として影響力をもっている。だから、特に東京などで後期研修をするならば大学医局に入局した方が何かと便利そうではある。もちろん、大学医局に入らずともプログラムには申し込めるであろうが、医局員の方が有利だろう。

特に、都心部のマイナー系(皮膚科、耳鼻咽喉科、眼科)などはシーリング(都道府県に割り振られたプログラムの定員)があり、プログラムに採用されるのはかなり激戦である。そもそも、マイナー系プログラムは大学病院か大学病院に準ずるような規模の市中病院にしかないのだ。この市中病院もほとんどが医局絡みであると考えられるので首都圏でマイナー科の後期研修医になるなら入局は必須と考えられる。そうでない穴場があったら教えてもらいたい。

これが地方となるとぽつりぽつりと大学とは関係のないマイナー科プログラムがある。もっと田舎になるとほとんどすべての診療科で入局が必須となる状況である。

入局を考えない医学生

医局入局を考えていない学生は医学生時代にしっかり後期研修を見据えて病院見学をする必要がある。もっといえば、医学生時代に後期研修のための病院見学をするべきである。

 

体液電解質異常と輸液

コロナにより病院実習がビデオ講義になり、時間が相当余っているので、普段なら読まないであろう教科書的なものをたくさん読んでいます。

体液電解質異常に詳しくなる

某有名医師ブログで研修医向けに紹介されていた「より理解を深める!体液電解質異常と輸液 改訂2版」神戸大学腎臓内科・深川雅史監修・東京大学腎臓内分泌内科・柴垣有吾著・中外医学社・2006年を読んでいます。

チャネル的なイオンの動態は嫌いなのですが、腎臓における電解質動態には興味があったので非常に面白く読んでいます。

著書の半分はナトリウムとカリウムの動態とそれによる疾患が解説されています。人体における最重要イオンはナトリウムとカリウムみたいです。

この二つのイオンの動態が人体での水分移動だったり尿排泄に大きく関わるのですが、シンプルだけど非常に奥が深いです。

例えば「脱水」という症状でも単に血管内の水分が単純に減っているのか、細胞内の水分が抜けてしまっているのか?で大きく分かれています。

また、膠質浸透圧と張度という別の概念があるのですが、正直これを本当の意味で理解しているかは疑わしいです。

血管内と血管外

膠質浸透圧というのは血管内での浸透圧であり、張度というのは血管内と間質を合わせた浸透圧ということなのだと思います。体内の浸透圧を考える上で大事なのは細胞内、間質、血管内の3つのコンパートメントに分けることだと思います。

このうち細胞内vs間質+血管内での浸透圧を考えるのに使うのが張度で、細胞内+間質vs血管内で使うのが膠質浸透圧・・・なのでしょうか?

ここら辺がわかっているようで、わかっていません。

足の浮腫と脳の浮腫

足がむくんでる・・・なんていうと「足の浮腫だね!」なんて思います。実生活でもままあることだと思います。一方、脳浮腫というのはあまり実生活では聞きなれない言葉です。

実は浮腫にも2種類あるようです。

間質の浮腫と細胞内の浮腫です。足のむくみは間質の浮腫、脳浮腫は細胞内の浮腫です。

間質というのは簡単にいうと筋肉とか脂肪とかです。なので、水がたまってしまっても、そんなに問題ないかな?なんて思います。一方、細胞内に水が溜まってしまうと「細胞破裂?」が起こりそうでマズイ状態か?なんて思います。

いずれにしても、浮腫にも2種類ある、という知識を得られたことは大きいです。さらに本を読み進めて電解質に強くなりたいものです。

ドラマ”仁 JIN”から現代医療を考える

いまさら感もありますがアマゾンプライムでJIN-仁-を視聴しました。正直面白かったです。こんなに面白いとは思っていなかったです。

以下ネタバレ注意です。

脳外科医の南方仁

現代に生きる脳外科医の南方仁(医師14年目)は公園で頭部に重傷を負った急患を対応する。診察を進めていくと脳内に腫瘍があることに気づき、緊急開頭オペが始まります。

手術は成功に終わるのですが、腫瘍そのものが非常に奇妙でした。

なんと、胎児様の腫瘍だったのです。

術後、その胎児様腫瘍の入ったビンを眺めていると研修医から「開頭手術した患者が逃げ出しました!」との報告を受けます。

患者を探し回る南方仁は非常階段でその患者を見つけます。患者は救急対応バッグとなんと胎児様腫瘍が入ったビンを持っていたのです。

患者ともみ合いになり、ビンが投げ出されます。ビンをキャッチしようとした南方仁は階段を転げ落ちます。

そして、気づくと森にいて、なにやら人の声が聞こえます。

その声に向かっていくと、なんと着物を着たちょんまげ姿の侍が複数人いました。

時代劇の撮影か何かと勘違いした南方仁は侍に駆け寄りますが・・・

と、いう感じで南方仁がタイムスリップします。

第一話の感動名セリフ

第一話で恭太郎という侍の頭部外傷を手術するのですが、この場面が現代に生きる医者、特に外科医にはグッとくるものがあるのではないでしょうか?自分はまだ医者でもなにでもないですが、妙に心に深く刺さりました。

江戸時代の手術道具もなにもない中で南方仁はこう自省するのです。

「満足な道具も薬も無い中で手術をしている。とても簡単な手術がいまなら青息吐息だ。これまで手術を成功してきたのは俺の腕じゃなかったんだ。いままで誰かが作ってきてくれた薬や施設、知識だったんだ。そんなものを無くした俺は痛みの少ない縫い方ひとつ知らないヤブだ。14年も医者をやって俺はそんなこともしらなかった。自分がこんなにちっぽけだったことを俺は知らなかった。謙虚なつもりだったけど、俺みたいなヤブができる手術だけ選ぶなんて、考えてみれば随分ふざけた話だ。」

医者に限らず現代に生きるすべての人が立ち返って深く考えるべきテーマなのではないでしょうか?

スマートフォンやパソコンがあればなんでもできてしまう時代です。ハイテク機器があれば、知識なんかも覚える必要すらなく親指ひとつで得られることできる時代です。

でもそれはわたしたち自体が進化したのではなく、あくまで機械がやってくれているのです。

最新テクノロジー依存

自分は何でもかんでも最新テクノロジーを活用して、物事を効率化するのは好きでありません。

Apple Pencilは便利ではありますが、やはりペンで紙に書くという行為や感覚が好きです。たとえそれが非効率的だとしても。

全くテクノロジーを受け入れない生活はこの時代で生きるには不可能です。なので、少しずつ、ゆっくりと受け入れていくのが良いと思っています。

未来を生き抜く免疫パスポート

日本のコロナ情勢も一段落ついたのでしょうか?しかし、依然としてウイルスの脅威がどれほどのものかはわかりませんし、ワクチンや特効薬開発も進んでいない今日この頃です。

免疫パスポート

新型コロナに罹患して回復した人だけがもつというコロナウイルスの抗体。これがキチンと新型コロナウイルスに対して抗体として働くのであれば、この抗体をもっているひとに対して免疫パスポートを発行してもいいと思います。しかし、いまアメリカなどで検査して認められている『新型コロナの抗体』は再度罹患したときに正常に働くかどうかは未知数と言われています。ですので、現段階では抗体が検出されたとしても免疫パスポート的なものを発行する意味は薄いと思います。

新型コロナ罹患パーティー

アメリカなどでは抗体を獲得するために敢えて新型コロナに暴露されるパーティーに参加するひとが増えているようです。緊急事態宣言で就業がままならない人たちにとっては経済のストップは死活問題であり、さっさと新型コロナに罹患して抗体保有してしまった方が仕事ができるじゃないか!!ということなのでしょう。確かに気持ちはわかるところです。自分も自分が死なないという予測が立つなら(実際は予測など不可能)効くか効かないかわかりませんが、さっさと抗体を持ちたいです。しかし、日本の現状を考えると積極的に抗体をもつ必要性もまだ感じないところではあります。

新型コロナの遺伝子変異

さて、自分としては新型コロナ罹患パーティーなるものは反対派ではあるのですが、そういうことを行なっている人たちを非難することもできないです。なぜなら、ウイルスというものは変異するものであり、新型コロナとてウイルス。この先、凶暴なウイルスに変異するのかただの風邪ウイルスにトーンダウンするのかはわかりません。もし、凶暴なウイルスに変異した時に、変異する前の新型コロナウイルスの抗体を持っていると重症化しない・・・としらどうでしょうか?現に日本をはじめアジアの地域では欧米に比べて罹患率も死亡率も低くなっています(データに信頼性が高く無いので諸説あると思いますが)。これについては元々もっている遺伝子によるもの、幼児期にBCGを投与しているなどなどありますが、新型コロナが中国で発生されたものとされていることを考慮すると、もともとアジアに存在していたコロナウイルスに対する抗体をアジア人は保有していた・・・と考えられます。コロナウイルスにも色々な株があり、アジアに多く存在する株に常に罹患しているアジア人は新型コロナウイルスに耐性があると考えても矛盾はしません。

新型コロナパーティーは悪か?

やはりどう考えても効くか効かないかを考えなくても、新型コロナの抗体は欲しいところです。ウイルスの悪性化次第によっては、いま罹患して回復したひと以外は更なる死亡率を叩き出す”新型”新型コロナウイルスと対峙しなければならなくなると思います。こう考えると、いま病院の最前線で診療に当たっている医療関係者は無症状の罹患者も多くいると思うので、”新型”新型コロナウイルスに対して協力な武器を持っているのかもしれません・・・。

新型コロナの抗体について考える

新型コロナに集団免疫で挑む?

新型コロナの抗体

今週末は都心部では移動自粛が敢行されるようですが、実際はどうなるのでしょうか?若者は街に繰り出すんんじゃないでしょうかね。

さて、イギリスでは国民に新型コロナに罹患させ、抗体を作って対処しようという動きがあるそうです。確かに、一度抗体ができてしまったら、再度罹患する確率は減ります(罹患しても軽症になることも)。そういった意味では当面の新型コロナ対策としては最強の戦法だと思います。

しかし、インフルエンザもそうですが、ウイルスって一年単位で変異するものも多いと思います。そこらへんはどうなんでしょうか?COVID-19がCOVID-20になった時に抗体って効くんですかね。わからないです。っていうか、変異ってどうなっているんでしょうか?

インフルエンザワクチンって毎年打ってても罹患します。インフルエンザのワクチンは症状緩和のため、っていう話も聞きますが、正直なところ誰もその効果はわかっていないと思います。

集団免疫のための集団感染が引き起こすもの

集団免疫をつけるためには感染防御せずより多くの人が感染する必要があります。もちろん、基礎疾患を持つ人や、高齢者などは防御されると思います。

でも、集団感染が多くなれば多くなるほどウイルスは増殖を繰り返している訳で、当然、変異も生じてくる訳です。そうすると、今でこそ厄介なウイルスなのに、もっと厄介なウイルスに変貌してしまう恐れがあるんじゃないでしょうか。

まあ、一介の平凡な医学生が考えることでしょうから、これに対する考えはイギリスの偉い学者先生たちが既に考えた上での政策なのでしょう。

8割軽症で致死率のそんなに高くないなら変に対策しない方がいいかもしれません。自然に生まれたものなら、自然に身をまかせるのがいいかもしれません。

ところで、集団感染がおこったら医療機関はパンクしないんでしょうか?疑問です。そこらへんもコントロールしながらの集団感染戦法なのでしょうか?

保険収載と混合診療について

保険収載とは何か?

新型コロナ関連で世間が賑わっており、上記のエントリーにクリックが集まっている模様。

混合診療とは?

病院にかかるとき、通常は『保険診療』となるケースがほとんどである。でもこの『保険診療』ですが非医療者の場合、けっこう曖昧なまま行なっているケースが多いと思います。病院なりクリニックの受付で『保険証出してください。』と言われて出して、あとは診療されて料金を払って終わりだと多います。

通常の保険診療については上記のエントリーをみてもらえればだいたい分かると思います。細かいところを突っ込まれれば間違いもあるでしょうが、医療の保険を理解するには十分だと思います。

さて、混合診療です。

日本における病院での診療は『保険診療』と『自由診療』に分かれます。

保険診療は厚生労働省が制定したものです。主に医療は外来と入院に分かれるのですが、外来での処置や手技が点数化されており、その合計に対して医療費が決定されます。例えば、問診した・・・○点、注射打った・・・○点、処方箋書いた・・・○点、などといった形です。その点数は厚生労働省が決めています。合計点に10を掛けたものが医療費となり、通常、その3割を患者が負担します。入院の場合、だいたいはDPCといって病気の種類ごとに金額が決まってます。なので、入院中の処置とか薬代とかも、ひとつひとつに点数が決まっている訳でなく、まるっと一括で金額が決まります。話は少し逸れますが、病院側としてはなるべく省エネして(薬や処置や検査を少なくする)患者を退院まで持っていきたいと思っています。

一方、自由診療はそのクリニックが自由に値段設定できる診療です。美容外科クリニックなどをイメージすると良いと思います。また、不妊治療とかもほとんどが自由診療となります。自由診療は一般的なエビデンスのない治療法を行う場合や(国政労働省的に)病気とはいえない医療を行うものである、と言えます。しかし、保険診療に該当するものでも自由診療としてやろうと思えばできるので、自由診療を真に理解するのはけっこう難しいです。

さて、混合診療ですが、この保険診療と自由診療をひとつの疾患に対して同時に行うことを言います。

例えば、美容外科で顔を整形した。侵襲的な手術なので術前・術後に抗菌薬(抗生剤)を患者に保険診療として処方した・・・こういう場合は混合診療になります。美容外科の整形を自由診療で受けているので、その手術に関わることで薬を保険を使って渡すことは禁じられています。こういう場合、美容外科に内科クリニックを併設して、手術のあとに内科クリニックで適当な症状を述べて薬をもらってしまえば保険を使って抗菌薬を得ることは可能だと思います。しかし、実際は抗菌薬ってそこまで高くないと思いますので、美容外科の手術代に抗菌薬とかも含まれていると思います。

日常にある混合診療

例えばお腹の調子が悪くてノロウイルス感染を疑った場合が考えられます。ノロウイルスの検査は自由診療になりますので、検査を受けつつ薬をもらうことはできません。おそらく実務的には、ノロウイルスの検査を行なって会計を済ませ、その後に診療を行なって薬を出す・・・のような流れになると思います。厚生労働省の見解では自由診療と保険診療の会計がきちんと分かれていれば良い、みたいです。さすがに上記で述べてた美容外科クリニック的なところでは会計を分けたところで認められないと思いますが、一般的な総合病院ならこういった混合診療を保険と自由診療に分けて行うことも可能です。

新型コロナで普通の医師ができること

新型コロナで世界中がてんてこまいですが、この先どうなるんでしょうか?

検査は本当に必要なのか

新型コロナウイルスに対する検査を検査能力MAXまでフル稼働にするのか、はたまた必要な人だけやるのかで一時期マスコミを含めて大騒ぎしていました。

ツイッター界隈の医クラスターでは断然に『検査は必要数だけでいい』という意見が大半をしめていました。逆にマスコミでは政府の検査数の少なさを指摘して、もっと検査をやるべきだ、と煽っていました。

自分は当初、検査をやっても偽陽性やら偽陰性やらあるので実際検査する意味は少ない。しかも、陽性判定されても治療法もないのでさらに意味がない・・・みたいな意見に流されて『検査やらない派』でありました。

しかし、実際どっちが正しいのかがわからない状況になってきました。

もちろん、新型コロナだと思った人が誰でも受けるシステムにすると医療資源がパンクしてしまいます。でも、かといって検査を行わなければ実際の感染者が自宅待機もせずに市中でウイルスをばらまいてしまいます。

なので、医療資源のバランスも考えながら、どの状態の新型コロナ感染疑い患者を検査に回すのが重要である、と考えるようになりました。

ツイッター上の大型アカウントも当初は『検査しても無意味』みないな流れがありましたが、いまはあまり検査実施の有無に言及していないと思います。いまはアカウント名に『手を洗う○○』みたいな感じになっています。

新型コロナで普通の医師ができること

新型コロナで一般的な医師ができることなんて実は無い。僕はこう思います。だってパンデミックに対して何かできる医師なんていないと思います。

検査するしないもその時々のフェーズによって変わってくるし、あとから考えてみないと検査するしないの決定の正しさは決められないと思います。いま、絶対的な自信をもって検査の良し悪しを述べられる人はWHOにだっていなんじゃないでしょうか。

なので一般的な医師としては『手を洗う』ことを励行することしかできないと思います。

でも、この手洗いだってどれだけ効果があるのかは懐疑的です。確かに、手を洗う方が洗わない方がいいに決まっています。しかし、実際、新型コロナが空気感染するかもエアロゾル感染するかも飛沫感染しかしないのもわかってない状況です。空気感染するようならば手洗い効果も限定的なのではないでしょうか。

ちょっと前までは『検査をやる意味は〜』とか盛んに啓蒙してきたツイッター上の自称医師たちが、今度は『手を洗おう』みたいな誰でも言えそうなことを言い出したことに違和感を感じます。もっと前から言えや、って思います。

とかく医療者は自分の持ちうる医療知識をひけらかしてドヤる人が多いと思います(医師に限らず看護師とかも)。

自分は謙虚に生きていきたいと願うばかりです。

医学は専門的過ぎる学問である(新型コロナ)

医学はそんなに難しいものではないと思うのですが、医学を学んでいる人はかなり少ないという・・・。

医学における用語や定義

新型コロナが猛威を振るっていますが、実際、マスクでも防ぎきれないし、家からでなければ感染する可能性も低くなりますがそんなことできないし・・・。

まあ、いっそ新型コロナのことなんて忘れて普通に生活してた方がいいような気がします。最低限、人が密集するところは避けるぐらいで・・・。

さて、横浜に停泊しているダイアモンドプリンセス号に対する厚生労働大臣の発言です。

副大臣かなんかがツイッター上に「通路を清潔・不清潔に分けている」みたいな画像を挙げて、それに対して加藤厚労大臣が「不潔という表現は不適切」と言ったみたいです。

医療関係者からすれば清潔・不潔なんて当たり前の概念で、その言葉自体には何も思わないのですが、一般の人からすれば「感染者を不潔と表現するなんて・・・ヒドイ」という風に感じるのでしょう。でも、加藤大臣は厚生労働省の大臣ですから、そこらへんは「そんなことも知らんのかいな!?」と医療側は思ってしまいますね。

医療は専門的?

医学を学んでいる人間っていうのは結構多いと思います。医学部関連や医師関連だけに留まらず、普通の理系の大学でも医学の一部は学んでいると思います。

ただ、清潔・不潔とかの概念は主に医療の現場で使われるものなのでもう少し人数は減ると思います。それでもそれなりの人数の日本人50〜60万人くらいは医療の基本的知識があるとと思います。

しかし、清潔・不潔とかの概念って主に手術室で重要とされるものであるし、あまり一般的な会話の中で手術室とか出てこないので、どうしてもその50〜60万人以上に医療の知識とか概念とかって広がらないと思います。

医療って難しいようでそこまで難しくないものだと思うのですが、広く一般に知識や概念が広がらないのは医療は専門的過ぎて一般人には興味が湧かないのが理由のような気がします。

実際、自分も身内や友達と医療関係の話をしても、すぐに話を切り上げられ他の話に変えられてしまいます・・・。

医療リテラシーと新型コロナウイルス

日本でも市中ではマスクが枯渇していてほとんど買えない状態といってよいでしょう。でも、マスクをしていても感染率はほぼ変わらないといってもいいと思います。WHOもそういう声明をだしていたと思います。

マスクしていてもマスクが覆いきれない顔の皮膚にも飛沫は飛んでいますので、いくらマスクをしていても、ちょっと痒いなといって顔を掻いた時点でその手を洗わないとマスクをしている意味が0%になってしまうと思います。

新幹線の車内とか電車の車内、バスの車内など密閉して密集している空間でマスクをするならばそれは効果があると思います。なので、路上を歩いている時のマスクはほぼ意味なし。だから、マスクはバスとか電車に乗る人のみ使って良い、というルールができれば良いのかもしれません(無理だけど)。

まあでも「マスク無意味論」を言ったところでマスク信者は話を聞かないでしょう。医療リテラシーがあればわかるはずです。

アルコール除菌

新型コロナウイルスに対してアルコール除菌は効果的だと思います。

ただ、デパートとか入り口やトイレにあるアルコールシュッシュは危険です。

なぜ危険かというと、シュッシュするポンプのところにウイルスがいる可能性が高いからです。保菌者も無菌者もポンプを押しますが、ポンプのところを除菌する人はまずいないのでポンプにウイルスは滞在します。なので、ウイルスの無い手をわざわざポンプで汚染させることになるわけです。うまくアルコールで除菌できれば幸いですが・・・。アルコールシュッシュは足でペダルを押すと噴出されるタイプのものであれば使って良いですが、手で押すタイプはむしろリスクが高いと言えます。

初期研修病院の見学の話

初期研修病院を見学する旅から帰ってきました。

初期研修病院は見学しないとはじまらない!?

初期研修病院の情報はHPや医療系の就職ポータルサイトのレジナビ等で得ることができます。

しかし、これらの情報はあくまで一般的な情報しか載っていないですし、内容が古くなっているのに更新されていないこともあります。また、載せたくても載せられない情報もあります。

ですので、行きたい病院があるならば、まず病院見学に出向いてそこで研修医などから実際の話を聞くことが重要です。

事実、自分も研修病院を回る中で次のようなことを見聞きしてきました。

来店ポイント

病院見学をすると採用試験時に来店ポイントが加算されるところがありました。一回につき○点で最大三回までは加算されるようです。もちろん、一回しか病院見学をしていない人を受かっているみたいですが、3回来ている人はだいたいマッチングしているようすです。

見学数至上主義

某病院ではマッチングは見学数が重視されるようでした。最低でも3回は来ないとマッチングしないようです。とある地域の有名ブランド病院でした。

病院独自奨学金

医学部の世界では破格の値段の奨学金が付きものです。月額15~20万を6年間に渡って貸与してくれるところが多いです。しかも貸与者が定めた病院に勤務すると返済が免除されるというルールがあります。しかし、貸与を受けた年数×1.5をその病院やその地域で働く必要があります。とある病院では一般的な月額の相場を超え、しかも勤務年数が1.5倍されない奨学金を設定する病院がありました。しかも、何年生からでも支給が開始できるという破格の条件。思わず飛びつきたくなってしまいましたね。

年収見込みはだいたい低い

レジナビなどで各病院の年収見込みが表示されています。この値なのですがだいたいは低めに設定されています。だいたいどこの病院もプラス100~200万くらいはある様子です。なぜ低く設定されているかというと病院の制度が変わっているのに情報更新が追いついていないからだと思います。時間外手当をどれぐらいつけるか?で給料は大きく変わってくるようです。この時間外手当を何時間つけるかは働き方改革等で年々変わってきているようです。とにかく、ネット情報の年収と実際の年収は変わる場合がほとんどです。

都内人気地域でも専門医は取れる

ツイッターやネット情報だと『都内で専門医取るのは(人数的に)難しい』とよく言われます。しかし、内科や外科プログラムであれば大きめの病院であればだいたい取れる模様です。マイナー系は難しそうです。しかし、都内以外の首都圏エリアであれば全く問題なく取れそうです。

病院見学は量も重要

自分はかなりの病院を見てきましたが、だいたい『そんなに病院みてどうすんの?』的なことを言われます。そんなこという人は相手にしていないです。

病院見学を進めると、色んな先輩医師の働き方やキャリアの進め方が聞けて大変参考になります。都会エリアや田舎エリアだとかなり医師の考え方なども違ってきます。東大と京大の医局の雰囲気も全然違います。たくさん見ないとわかりません。

目的としては初期研修病院探しのための病院見学ですが、実はそれだけではありません。初期研修終了後の3年目にどこの病院に移るのか?どこの医局に入るのか?等でまた病院見学をする必要があります(しない人も多いけど)。こういう時に学生時代に見学して緩やかなコネクションを作っておけば専攻医登録にも有利でしょう。

この学生という時期でないとゆっくり病院見学できないわけですから、しない手はないですね。往復の交通費を出してくれる病院も多いですから。