ハイパー病院&ハイポ病院

一般に研修病院は”ハイパー病院”と”ハイポ病院”に分かれます。

ハイパー病院とは

ハイパー病院とはつまり忙しい病院のことである。研修医は総じて忙しいものであるが、ハイパー病院に勤務となると帰宅できないことも多いし、年間に5日間くらいしか休日がないところもある。

例えば東京にある聖路加国際病院、千葉にある亀田総合病院、神奈川にある湘南鎌倉病院、沖縄にある沖縄中部病院などが有名である。

研修医でハイパー病院に行くメリットは何であろう?

ひとつにこれらのハイパー病院はある種ブランド病院であるので、将来、どこの病院で働くとしても『あの超絶ハイパー病院ご出身なんですね』ってことで一目おかれると思います。

研修医先の病院も学歴のひとつみたいなものです。日東駒専レベルが東大生をすごいと思うように、名もなき病院出身者は有名病院出身者をそのようにみるでしょう。

『ハイパー病院=忙しい=給料高い』と思われがちですが、一般的にはそんなに研修医としての給料は高くないイメージです。なぜなら、高くしなくても研修医が応募してくるからです。要は需要と供給で給料がマッチしています。

ハイポ病院とは

ハイポ病院とはつまり勤務時間が短めの病院を指します。ハイパー病院が帰れない日があるのに比べて、ハイポ病院で帰れない・・・というのはほとんど無さそうです。

『ハイポだから勉強にならない』ということはありません。ひとつの症例に対しじっくり取り組むことができます。どちらかというと内科志望はハイポの方が良い気がします。

正直なところ、研修医のみんながみんな意識高く使命感をもっているわけではないので、ハイポ病院にも研修医の供給はあります。

ハイポ病院かつ指導医が熱心、それでいて給料は高い、なんて病院があったら最高だと思います。

ハイパーとハイポどっちが良い?

こればっかりは何とも言えませんね。

ハイパー病院に行って、その後もエリート街道まっしぐらの医師もいるでしょうし、ハイパー病院行ったがいいが、精神的に疲弊してしまって医者を辞めるひともいます。

一方、ハイポ病院に行ってもその後、自分の道を見つけて活躍する人もいます。

要は自分が何をしたいか?これを研修病院を選ぶ際にもっているのが重要だと思います。そのような目的や目標がないと研修にも身が入らないのでハイパー&ブランド病院に行っても意味がありません。

もし、学生時代に明確なプランを持てないようだったらハイパー病院に行くのがいいと思います。

ハイパー病院であれば望むと望まないとに限らず浴びるように症例をこなしていきます。そうすれば、2年間である程度のレベルに達すると思います。

ハイポで与えられたもの以外で勉強するとなると、自ら探さないといけないので大変です。

医師の病院からの引き上げ

たまにメディアの情報で流れる『医師の病院からの引き上げ』


この揉め事は常勤の小児科医の院長が病院の設置者である市と、病院の建て替え計画の意見が合わないために起こりました。

医者の方にアドバンテージ

すべてのケースに言えることではないですが、このような揉め事が生じた時、ほとんどのケースは医者の方がアドバンテージがあります。

なぜなら、

医者『俺の言うこと聞かないと、辞めて他の病院行くよ。そうするとここの病院の小児科無くなっちゃうよ。この地域の小児科ってこの病院にしかないから市民困るよ。』

市側『ぐぬぬ。』

こんな感じのやりとりだと思います。こうなると市側も医者の言うことを聞かざるをえません。

しかし、今回のケースでは実際に医者の方が辞めてますので、市側としても絶対に今回は市側の意見を通したかったのでしょう。

あらゆるところで起きる『辞めちゃうよ』

実はこのような行政的な問題に限らず、医者の世界では伝家の宝刀『辞めちゃうよ?』があらゆるところでおこっています。

ひとつの病院内でも医者の人数が少ない科であれば、ひとりの人員の重さは推して知るべしです。なので、ひとりひとりの要望は極力叶えてあげないと他の病院に移られてしまいます。

なので、科長や部長といった役職の人であっても、ブランド病院的な人気のある病院以外であれば、かなり部下に気を使います。

医学生『じゃ、やらない』

こういうような性質は実は医学生時代から醸成されています。気にくわないことがあれば『絶対やりません』。

また逆に自分の意見を通したい時は、あらゆる手段を使って実力行使してきます。

自分もこういった『やりません』、『絶対こうして下さい』的な案件に遭遇したことがあります。

『やりません』に対しては『じゃ、俺やるからいいわ』で済むのですが、『絶対こうして下さい』的なものは大変です。

面倒なので意見を受け入れることも多いですが、たまにあまりに自分勝手な意見を通そうとするので、そう言う時は突っぱねます。

突っぱねるのはいいのですが、その後、その人との人間関係は終わります。ずーっと影で悪口を言われるようになります。

関連病院形成の歴史的背景

以前のエントリーで関連病院について述べた。

関連病院の実態

今回はどのようにして関連病院という概念が形成されたのかを考えてみたいと思う。

日本医療の原点は旧帝医学部

日本の病院をはじめとする組織・人材の原点は北海道大学、東北大学、東京大学、名古屋大学、大阪大学、京都大学、九州大学の旧七帝大の医学部である。

まずこの大学に医学部ができて医師が輩出されることになる。もちろん、医学部と医学部付属病院はセットで設置されているはずである。

なので、日本に市中病院ができたのは医学部付属病院のあとである。

新しく市中病院を作るためには医師の確保が重要である。しかし、新設の病院だと建物はキレイで良いが、働く環境としては未知数である。なので、医者は簡単には集まらない。

そこで市中病院の設置者である国・市町村は医学部の臨床系の教授にお願いして医師を派遣してもらう。

そこでの教授側の要求は『医師派遣をするかわりに、診療科の運営は我々で決めさせてもらう』である。

ちなみに給料や福利厚生などは教授側では基本的には自由にはできない。これは設置団体の法律やらなんやらあるのでそっちに従うしかない。

このような流れで医学部付属病院の関連病院が増えていくこととなった。もちろん、早くに設置された旧帝大医学部が多くの、広範囲に渡る関連病院をもつのは当然の流れである。

新設医学部の教授はどこから来る

実は新設された医学部の人事配置も関連病院的な動きをみせる。

新設された医学部の教官はどこからくるのだろうか?それは既設置の医学部からである。

よって、旧帝大医学部出身者は近隣の新設されている医学部に多くの教授を輩出している。

もちろん、新設医学部の卒業生が増えて力をつけていけば自大学の教授ポストは自大学で埋まっていくだろう。しかし、それはかなりの時間を要する。また、教授ポストは誰もが就きたいものであるので、連綿と旧帝医学部が牛耳っている教授の座を明け渡すのは難しい。

だから医学部は歴史が重要

このように病院に限らず、医学部ですら先行者利益で旧帝医学部が幅をきかせている。これは学力が高いのもそうであるが『早くに設置された』ところが大事である。

なので、医学部を選ぶ際には創立の年を調べたり、関連病院の多さを考慮した方がいいだろう。

関連病院の実態

関連病院(ジッツ,sitzen)については以下の記事で少しふれた

株式会社医療村のキャリアパス

株式会社医療村のキャリアパス2

株式会社医療村のキャリアパス3

今回は関連病院の詳細を記述してみたいと思う。

1病院≠1医局である

ある病院が関連病院として大学の医局に支配されている。普通に考えると、院長以下すべての診療科が医局に支配されている・・・と考えると思うが、それは違う。

あくまでも関連病院の単位は診療科なのである。

つまり、ひとつの病院において整形外科・・・東大関連病院、麻酔科・・・東京医科歯科、眼科・・・日大のように複数の大学医局が関連病院となっているケースがある。

もちろん、ひとつの病院において全ての診療科がひとつの医局に支配されていることもある。

複数の医局が混じり合った病院だと働きにくそうだなぁ・・・と思う。実際、複数支配の病院だと診療科同士の関係が不良の場合も多く、そういうケースだと患者さんをたらい回しにする確率も上がる。

医局と無関係な診療科

ほとんどの診療科が関連病院として支配されているが、その中で関連病院として支配されていない診療科が存在したりする。

そういう場合、その科の運営は原則的に病院が中心となる。医師の採用も病院側が直接行える。ただ、人を集められなかったらその科が配科になる。麻酔科が廃科になってしまうと常に非常勤のアルバイト麻酔医を採用しなくてはならないので大変だ。

なぜこういう医局と無関係な診療科が存在するのかというと、正直わからないが、ひとつ言えることは『医局が関連病院としての権利を放棄する』ということがある。

医局が関連病院としてメリットが無くなったり、医局人員が足りなくて医師を派遣できなくなったり等で医局が関連病院の権利を手放すことがある。

このような場合、いったんは他の大学医学部の医局が引き継ぐことが多い。しかし、関連病院を手放すということは旨味がないからであり、引き継いだ先もすぐに手放すケースが多いだろう。そうなると医局とむ関連のフリーの診療科が誕生する。

医局は便利である一方、運営は難しく、医局に入ったもののその体質が合わなくて辞めていくものも多い。そういった医師たちの受け皿となっているのがフリーの診療科である。

フリーの診療科で運営がうまくいっているところはその診療科のトップ(部長とか)が医師としての力量が高く、かつマネジメント能力に優れたひとがいる可能性が高い。

基礎医学講座に入局したら・・・

先日の記事で『医学部を卒業後、基礎医学か臨床医学のどちらかに医学生は進む』と記述した。

今回は基礎医学に進んだ場合の話をしてみたいと思う。

基礎医学入局者は貴重種

基礎医学に進む医学生は貴重種である。ほとんどの学生が臨床医になるためだ。

基礎医学が避けられる理由としては

  1. 実験が主な仕事
  2. 給料が少ない
  3. 地味

などが挙げられる。

基本的には病気の理由を解明するために遺伝子変異させたマウスをいじくる・・・というイメージである。

実験が好きだったり、人体の神秘の解明、難病の治療法、特効薬の開発などが好きな人はいいだろう。しかし、そういう人はあまりいない。

基本的には大学の基礎医学講座に入局することとなる。よって給料は大学の規定による。ちなみに、医学部の教官だから他学部よりも給料が高い、ということは基本的に無い。なので、教授職でも年収1,000万円いっている人はほぼいないだろう。

基礎医学に入局する前に、内科などの汎用的な科の専門医を最速で取得し、それから基礎医学に入局する。そして、休日は内科医でアルバイト、というのが金銭面にも楽だろう。

基礎医学講座はスタッフが少ない

基礎医学の講座スタッフは少ない。

教授、准教授、講師、助教、事務スタッフ、検査技師などが主なメンバーであるが、教授、准教授、事務スタッフの3名しかいない、みたいな講座も山ほどある。

特に上記の3名しかいないような講座は地雷の可能性が高い。

なぜなら、常に教授とのやりとりを求められ、嫌われようものならどこにも居場所がなくなる。

後任ができないと辞めるに辞められないし、他大学の同じ講座も教授と仲の良い教授かもしれない・・・。

そんな感じであるので、常に教授の顔色を伺って、やりたいこともやれない状況が続く。

そんな状態なので一層基礎医学に進む者が少なくなるのである。

基礎医学講座に進むメリット

基礎医学に進むメリットはあるのだろうか?

そのひとつとして『特許を取ったら億万長者』がある。

昨年のノーベル医学生理学賞をとった本庶佑先生も基礎医学の医師である。オプジーボのような画期的な薬を開発したとすると、高須クリニックの高須先生よりも断然にお金持ちになれるような対価をもらうことが可能だ。

でも、基礎医学で頑張っているひとたちはお金のために働いているひとは割合少ない。誰かを救いたい、世の中のためになりたい、そう思っているひとが多いと感じる。

その他のメリットとして『18〜24才くらいのピチピチ大学生と常に触れ合える』である。

基礎医学は医学部の1〜3年で教える科目である。これらの科目は基礎医学の講座が担当する。なので、常に女子大生と触れ合えるのである。

しかも、医学部の定期テストは範囲が広いがため難しい(というか大変)。先生に媚を売ると試験問題のヒントをもらえるのだ。

実際、自分の大学にも女好きで有名な先生は毎年、言い寄ってくる女子学生と懇意になりテスト情報を秘密裏に流出させている。

そして、その先生の科目が終わると同時にその女子学生は消えていく・・・。しかし、また新たな学年の女子学生が寄ってくるのである。

先生も先生だが、女子学生も女子学生である。

株式会社医療村のキャリアパス3

さて3回目の記事となりましたこのシリーズです。

多くの医者は医学部を卒業すると大学の医局に入局します。医局とはある意味で一つの企業における部署ともいえます。その人事権を含めすべては教授が握っています。

自分のキャリアは教授次第

一般の企業と同じで、自分のキャリアは人事権を握る教授に意のままです。気に入られれば、関連病院でも給与が高かったり、自分が学びたい症例が集まるような人気の病院へ派遣されることとなります。

一方、不幸にも教授の逆鱗に触れたりすると誰も行きたくないような病院にいかされます。

『ここの医局の教授に嫌われても他の大学の医局に行けばいいもんね〜』などと思いますが、そう上手くいくとは限りません。

”株式会社医療村”ですから、意外に教授同士が仲よかったりするので、そうすると『うちの医局にいた○○という出来の悪い医者がいてね・・・』なんて話をされてしまいます。なので、医局を辞めるにしてもなるべく良好な関係でなくては後が辛くなるだけです。

医局がすべてではない!?

いままで医局に関する話をしてきましたが、実際は医局と関係の無い病院も多くあります。

そのひとつとして有名なのは東京にある聖路加国際病院です。かの有名な京大医学部卒の日野原院長がいらっしゃった病院です。

その他にも徳田虎雄先生率いる徳洲会グループも基本的には医局とは関係がありません。

医局のシステムが馴染まない医者はこういったような非医局制度の病院に勤めることとなります。

ただし、このような病院に勤める場合、原則として転勤という概念がありません。転勤がないのはいいことかもしれません。

しかし、ひとつの病院には似たような症例が集まるケースが多いので、そこで働く限り新たな手技などを身に着けることが難しくなります。また、医師の世界では当たり前のようにある海外留学も医局システム外であると行き先を選ぶのに困難だと聞きます。

どちらを選ぶかは一長一短

医局は医局で良いところもあるし、悪いところもある。もちろん、非医局の病院も同じです。

自分が将来どのような医師になりたいかによって変わってくると思います。自分は外科系を志望しているのでとりあえずは医局に入って修行しようかと思っています。

よくよく考えると医者のキャリアアップの道筋を考えるのは非常に難しいです。医局に関しては自分の能力があれば、いつでも入局できるようですので、深く考えないで、エイやっと飛び込んでみるのもひとつのような気がします。

株式会社医療村のキャリアパス2

医者は全国で30万人いる企業『株式会社医療村』に就職している・・・というお話で前回は終わりました。今回はその続きです。

大学医局というパワーワード

よくいう”医局”というのは狭義の意味では『病院内で医者が滞在する休憩所や待機場所』を指します。

しかし、一般に医局というと大学病院のそれぞれの科の組織自体を指します。また、医局に所属する人を医局員と呼びます。医局は大学の教授(例えば消化器外科講座教授とか)がトップにいます。その下に医局長やら医長やら医員がいます。

この医局というものは民間企業でいえば『人事部』と考えていいでしょう。教授は人事部長です。医局に所属する人たちの人事権を握っています。

『あれっ?大学病院の人事権を握っているんでしょ?普通だよね?』と思われるかもしません。

そこに重大なポイントがあります。

実は大学病院の医局というものは関連病院(業界用語でジッツ)を持っているんです。そこに誰を配属させるかの人事権も持っています。

○○市民病院みたいな公立だろうと、○○赤十字病院だろうと関連病院として組み込まれていれば大学病院の医局が支配していることになります。

確か、帝京大学医学部では大学病院なのに東大病院の関連病院になっているということを聞いたことがあります。

つまり、ここで何が一番言いたいかというと『誰もが行きたがるような有名病院、ブランド病院は大学病院の医局に入らなければならない』ということです。

初期研修に限ってはその限りでなく自由なのですが、初期研修を終えて、晴れて一人前になった時に自分が望む病院がどこかの大学病院の関連病院ならば、その病院に採用してもらうのではなく、大元の大学病院の医局に入らなければなりません。

医局に関してもう少し・・・

実はこの医局というもの、自分たちの大学の医師でなければ入れない、というものではありません。要は千葉大学医学部卒業の医師でも東京大学医学部付属病院の医局に入れる訳です。

昔は母校以外の医局に入っても冷や飯を食うだけなので、そうとうな理由のある人以外は入局しなかったようですが、いまは違うようです。

東京や大阪、福岡などの旧帝国大学医学部があるような土地はまだまだ医局の力が強いですが、全体的には力が落ちてきてます。また、そもそもとして初期研修終わって医局に入局する人もかなり減っているので『どこの大学卒でも入局歓迎』状態のようです。

医局の意向には逆らえない

基本的に医局のボスである教授の意向には逆らえません。なので、教授の反感を買ってしまうと誰も行きたがらない関連病院にしか配属されません。

みんな行きたがらない病院は概して『田舎にある』、『症例数が少なく技術が身につかない』などがあります。

ちなみに、関連病院はかなり離れたところにもあります。例えば、東京大学医学部の関連病院が北海道にある可能性もありますし、京都大学医学部の関連病院が新潟にあるということもあり得ます。

せっかく東京ではたらきたいがために東大の医局に入ったのに地方に行く・・・なんて人も少なからずいます。

また、長くなってしまったので続きはパート3で!!

外科手術は難しいものなのか?

医者の中でも花形である外科医。今回は外科手術の大変さについて考えていこうと思う。

術野がせまい

開腹手術をする場合、なるべく手術の侵襲を少なくするために切り口はなるべく短くします。そうすると必然と術野(外科医が手術をする範囲)はせまくなります。せまい中で血管や神経を同定しながら患部を電気メスで切っていくのでかなり大変な作業となります。

立ちっぱなし

脳外科の手術や眼科の手術などでは座って行うものもありますが、一般的に手術は立ちっぱなしで行います。難しさによって異なりますが、10時間越えの手術なんてザラにあります。しかも、便所スリッパみたいなのを履いて手術している外科医もみたことあります。せめてクッション性の高いスニーカー履けばいいのに・・・と思いました。

人間の内臓は個性が強い

心臓、肺、肝臓、脾臓、小腸、大腸など、人間の基本的な臓器において個性が強くでることはあまりありません。しかし、血管の走行や分岐、神経やリンパの走行などは個性が強くでます。ある程度は典型的な形はあるのですが、ひとりひとり異なることが多いので見分けるのが大変です。動脈と静脈を間違って切っては大問題ですし、誤って神経を切ろうものなら取り返しのつかない障害が残ることがあります。

心臓、肺、肝臓、脾臓、小腸、大腸など、人間の基本的な臓器において個性が強くでることはあまりありません。しかし、血管の走行や分岐、神経やリンパの走行などは個性が強くでます。ある程度は典型的な形はあるのですが、ひとりひとり異なることが多いので見分けるのが大変です。動脈と静脈を間違って切っては大問題ですし、誤って神経を切ろうものなら取り返しのつかない障害が残ることがあります。

たいていの場合、手術は3名ほどの外科医で行うことが多いです。いまは開腹手術の数はそこまで多くなく、腹腔鏡下での手術が多いです。これにはモニターがついているので、それをみんなで見ながら『これは○○動脈だ!!』みたいな感じで情報共有しながら手術を進めています。

癌は臓器内にある

たいていの場合、悪性腫瘍である癌は臓器の内部にあり、臓器の表面を見ただけではどこを切ればいいかわかりません。なので、エコーなどで癌の場所を特定して切っていきます。大きい癌であればエコーでもわかりやすいですが、小さい癌であるとエコーでの同定は難しく、切る場所を決めるのに時間がかかります。

最後に・・・

外科は花形ではありますが、昨今、外科医を志望する人は減っているようです。内科とは違ってダイレクトに治療ができるダイナミズムが外科にはあります。なお、手術のあとはなぜか焼肉を食べたくなるようです。

病院見学であった話

医学部3年生ともなるとそろそろ病院見学に行こうか・・・なんて声がちらほら聞こえてくる。

自分も早めに病院見学を始めた人間である。

とりあえず手当たり次第、交通費がもらえる病院をピックアップして問い合わせをしてみた。

そしてまず行った某地方の政令指定都市のメイン駅前の私立大病院。

その地域の生まれでも、その地域の最寄りの医学部でもない自分は病院見学に行ってビックリした。

剣もほろろの対応をされた訳ではないが、

『どうしてこんなところの病院さ来た?』とう感じであった。

いわく『地元でも所属大学のエリア外からくる医者ってのは、何かしらあってその地域では働けないキズありと思われる。』らしい。

いまはもうマッチング制度の時代なので地元とか所属大学とかいう考えは古いものとなっていると思っていましたが、田舎ではまだまだ健在です。

そのことを教えて頂いた部長クラスの先生には『変なヤツ来たな』と思われながらもしっかりと見学させてもらい、その先生が医者として生きてきて得たコツや人生訓をしっかり教えて頂きました。感謝です。

その見学では病院長と理事長と面談タイムがあったのですが、当然同じように『どうやってこの病院までたどり着いたんだい?』という感じでした。

ということで、これから病院見学をしようとしている医学生の皆さん、所縁のない土地に病院見学に行くとちょっと変な人扱いされるので、そこは認識してから行こう!!

でも、そんなところの病院でも、研修医の先生方は学生が病院見学に来ると興味があるみたいで、面白がってくれますし、聞けば色々教えてもらえます。

ま、病院見学の主目的は研修医の先生方がどのように働いているか?例えば、研修医がやれる手技だったり、現実的な当直の回数、生き生きと働いているか?などをみるのが重要だと思います。

メージャー科かマイナー科か?

病院には色々な診療科があります。

循環器内科、消化器内科、麻酔科、耳鼻科、皮膚科・・・たくさんあります。

医療業界人以外は使わないので浸透していませんが、診療科には『メジャー科』と『マイナー科』というものがあります。

あるのですが実はどの診療科がメジャーでマイナーがどこ、というのははっきりしてません。

循環器内科・外科、消化器内科・外科

この科は間違いなくメジャー科です。

これに呼吸器内科・外科を入れるか入れないか?という議論があります。人によっては入れるし、人によっては入れない。

よく言われるのが『外科と内科で分かれているのがメジャー科だ』なんて意見もあります。

メジャー科というとなんだか強そうで権力がありそうです。実際、患者さんも多いでしょうし、現代の三大疾病であるガン・心筋梗塞・脳卒中を考えればメジャー科が重要な位置をしめるのもうなずけます。

ただ、多くの病院でメジャー科が幅を利かせているとは思いますが、個々の病院をみるとそうでもありません。

結局はどの科に実力のある医師がいて、どのくらいの患者数をもっているかで力関係は決まります。

メジャーだと重要そうなイメージがするし、マイナーというとなんか大したことないような気がしてしまうので、このような言葉で診療科をカテゴリーするのはあまりよくない気がします。

医学界隈にはなんかこういう世界(日本国内だけでも)で統一されていない言葉や概念が多く、かなり混乱することが多いです。