さて3回目の記事となりましたこのシリーズです。

多くの医者は医学部を卒業すると大学の医局に入局します。医局とはある意味で一つの企業における部署ともいえます。その人事権を含めすべては教授が握っています。

自分のキャリアは教授次第

一般の企業と同じで、自分のキャリアは人事権を握る教授に意のままです。気に入られれば、関連病院でも給与が高かったり、自分が学びたい症例が集まるような人気の病院へ派遣されることとなります。

一方、不幸にも教授の逆鱗に触れたりすると誰も行きたくないような病院にいかされます。

『ここの医局の教授に嫌われても他の大学の医局に行けばいいもんね〜』などと思いますが、そう上手くいくとは限りません。

”株式会社医療村”ですから、意外に教授同士が仲よかったりするので、そうすると『うちの医局にいた○○という出来の悪い医者がいてね・・・』なんて話をされてしまいます。なので、医局を辞めるにしてもなるべく良好な関係でなくては後が辛くなるだけです。

医局がすべてではない!?

いままで医局に関する話をしてきましたが、実際は医局と関係の無い病院も多くあります。

そのひとつとして有名なのは東京にある聖路加国際病院です。かの有名な京大医学部卒の日野原院長がいらっしゃった病院です。

その他にも徳田虎雄先生率いる徳洲会グループも基本的には医局とは関係がありません。

医局のシステムが馴染まない医者はこういったような非医局制度の病院に勤めることとなります。

ただし、このような病院に勤める場合、原則として転勤という概念がありません。転勤がないのはいいことかもしれません。

しかし、ひとつの病院には似たような症例が集まるケースが多いので、そこで働く限り新たな手技などを身に着けることが難しくなります。また、医師の世界では当たり前のようにある海外留学も医局システム外であると行き先を選ぶのに困難だと聞きます。

どちらを選ぶかは一長一短

医局は医局で良いところもあるし、悪いところもある。もちろん、非医局の病院も同じです。

自分が将来どのような医師になりたいかによって変わってくると思います。自分は外科系を志望しているのでとりあえずは医局に入って修行しようかと思っています。

よくよく考えると医者のキャリアアップの道筋を考えるのは非常に難しいです。医局に関しては自分の能力があれば、いつでも入局できるようですので、深く考えないで、エイやっと飛び込んでみるのもひとつのような気がします。