新型コロナの抗体について考える

新型コロナに集団免疫で挑む?

新型コロナの抗体

今週末は都心部では移動自粛が敢行されるようですが、実際はどうなるのでしょうか?若者は街に繰り出すんんじゃないでしょうかね。

さて、イギリスでは国民に新型コロナに罹患させ、抗体を作って対処しようという動きがあるそうです。確かに、一度抗体ができてしまったら、再度罹患する確率は減ります(罹患しても軽症になることも)。そういった意味では当面の新型コロナ対策としては最強の戦法だと思います。

しかし、インフルエンザもそうですが、ウイルスって一年単位で変異するものも多いと思います。そこらへんはどうなんでしょうか?COVID-19がCOVID-20になった時に抗体って効くんですかね。わからないです。っていうか、変異ってどうなっているんでしょうか?

インフルエンザワクチンって毎年打ってても罹患します。インフルエンザのワクチンは症状緩和のため、っていう話も聞きますが、正直なところ誰もその効果はわかっていないと思います。

集団免疫のための集団感染が引き起こすもの

集団免疫をつけるためには感染防御せずより多くの人が感染する必要があります。もちろん、基礎疾患を持つ人や、高齢者などは防御されると思います。

でも、集団感染が多くなれば多くなるほどウイルスは増殖を繰り返している訳で、当然、変異も生じてくる訳です。そうすると、今でこそ厄介なウイルスなのに、もっと厄介なウイルスに変貌してしまう恐れがあるんじゃないでしょうか。

まあ、一介の平凡な医学生が考えることでしょうから、これに対する考えはイギリスの偉い学者先生たちが既に考えた上での政策なのでしょう。

8割軽症で致死率のそんなに高くないなら変に対策しない方がいいかもしれません。自然に生まれたものなら、自然に身をまかせるのがいいかもしれません。

ところで、集団感染がおこったら医療機関はパンクしないんでしょうか?疑問です。そこらへんもコントロールしながらの集団感染戦法なのでしょうか?

保険収載と混合診療について

保険収載とは何か?

新型コロナ関連で世間が賑わっており、上記のエントリーにクリックが集まっている模様。

混合診療とは?

病院にかかるとき、通常は『保険診療』となるケースがほとんどである。でもこの『保険診療』ですが非医療者の場合、けっこう曖昧なまま行なっているケースが多いと思います。病院なりクリニックの受付で『保険証出してください。』と言われて出して、あとは診療されて料金を払って終わりだと多います。

通常の保険診療については上記のエントリーをみてもらえればだいたい分かると思います。細かいところを突っ込まれれば間違いもあるでしょうが、医療の保険を理解するには十分だと思います。

さて、混合診療です。

日本における病院での診療は『保険診療』と『自由診療』に分かれます。

保険診療は厚生労働省が制定したものです。主に医療は外来と入院に分かれるのですが、外来での処置や手技が点数化されており、その合計に対して医療費が決定されます。例えば、問診した・・・○点、注射打った・・・○点、処方箋書いた・・・○点、などといった形です。その点数は厚生労働省が決めています。合計点に10を掛けたものが医療費となり、通常、その3割を患者が負担します。入院の場合、だいたいはDPCといって病気の種類ごとに金額が決まってます。なので、入院中の処置とか薬代とかも、ひとつひとつに点数が決まっている訳でなく、まるっと一括で金額が決まります。話は少し逸れますが、病院側としてはなるべく省エネして(薬や処置や検査を少なくする)患者を退院まで持っていきたいと思っています。

一方、自由診療はそのクリニックが自由に値段設定できる診療です。美容外科クリニックなどをイメージすると良いと思います。また、不妊治療とかもほとんどが自由診療となります。自由診療は一般的なエビデンスのない治療法を行う場合や(国政労働省的に)病気とはいえない医療を行うものである、と言えます。しかし、保険診療に該当するものでも自由診療としてやろうと思えばできるので、自由診療を真に理解するのはけっこう難しいです。

さて、混合診療ですが、この保険診療と自由診療をひとつの疾患に対して同時に行うことを言います。

例えば、美容外科で顔を整形した。侵襲的な手術なので術前・術後に抗菌薬(抗生剤)を患者に保険診療として処方した・・・こういう場合は混合診療になります。美容外科の整形を自由診療で受けているので、その手術に関わることで薬を保険を使って渡すことは禁じられています。こういう場合、美容外科に内科クリニックを併設して、手術のあとに内科クリニックで適当な症状を述べて薬をもらってしまえば保険を使って抗菌薬を得ることは可能だと思います。しかし、実際は抗菌薬ってそこまで高くないと思いますので、美容外科の手術代に抗菌薬とかも含まれていると思います。

日常にある混合診療

例えばお腹の調子が悪くてノロウイルス感染を疑った場合が考えられます。ノロウイルスの検査は自由診療になりますので、検査を受けつつ薬をもらうことはできません。おそらく実務的には、ノロウイルスの検査を行なって会計を済ませ、その後に診療を行なって薬を出す・・・のような流れになると思います。厚生労働省の見解では自由診療と保険診療の会計がきちんと分かれていれば良い、みたいです。さすがに上記で述べてた美容外科クリニック的なところでは会計を分けたところで認められないと思いますが、一般的な総合病院ならこういった混合診療を保険と自由診療に分けて行うことも可能です。

新型コロナで普通の医師ができること

新型コロナで世界中がてんてこまいですが、この先どうなるんでしょうか?

検査は本当に必要なのか

新型コロナウイルスに対する検査を検査能力MAXまでフル稼働にするのか、はたまた必要な人だけやるのかで一時期マスコミを含めて大騒ぎしていました。

ツイッター界隈の医クラスターでは断然に『検査は必要数だけでいい』という意見が大半をしめていました。逆にマスコミでは政府の検査数の少なさを指摘して、もっと検査をやるべきだ、と煽っていました。

自分は当初、検査をやっても偽陽性やら偽陰性やらあるので実際検査する意味は少ない。しかも、陽性判定されても治療法もないのでさらに意味がない・・・みたいな意見に流されて『検査やらない派』でありました。

しかし、実際どっちが正しいのかがわからない状況になってきました。

もちろん、新型コロナだと思った人が誰でも受けるシステムにすると医療資源がパンクしてしまいます。でも、かといって検査を行わなければ実際の感染者が自宅待機もせずに市中でウイルスをばらまいてしまいます。

なので、医療資源のバランスも考えながら、どの状態の新型コロナ感染疑い患者を検査に回すのが重要である、と考えるようになりました。

ツイッター上の大型アカウントも当初は『検査しても無意味』みないな流れがありましたが、いまはあまり検査実施の有無に言及していないと思います。いまはアカウント名に『手を洗う○○』みたいな感じになっています。

新型コロナで普通の医師ができること

新型コロナで一般的な医師ができることなんて実は無い。僕はこう思います。だってパンデミックに対して何かできる医師なんていないと思います。

検査するしないもその時々のフェーズによって変わってくるし、あとから考えてみないと検査するしないの決定の正しさは決められないと思います。いま、絶対的な自信をもって検査の良し悪しを述べられる人はWHOにだっていなんじゃないでしょうか。

なので一般的な医師としては『手を洗う』ことを励行することしかできないと思います。

でも、この手洗いだってどれだけ効果があるのかは懐疑的です。確かに、手を洗う方が洗わない方がいいに決まっています。しかし、実際、新型コロナが空気感染するかもエアロゾル感染するかも飛沫感染しかしないのもわかってない状況です。空気感染するようならば手洗い効果も限定的なのではないでしょうか。

ちょっと前までは『検査をやる意味は〜』とか盛んに啓蒙してきたツイッター上の自称医師たちが、今度は『手を洗おう』みたいな誰でも言えそうなことを言い出したことに違和感を感じます。もっと前から言えや、って思います。

とかく医療者は自分の持ちうる医療知識をひけらかしてドヤる人が多いと思います(医師に限らず看護師とかも)。

自分は謙虚に生きていきたいと願うばかりです。