日本を代表するようなハイパー病院にいくつか行ってきました。その時のお話です。

ハイパー病院=忙しい!?

一般的にはハイパー病院は忙しいと思う医学生が多いと思います。ここで医療関係者以外の方に説明すると、病院はそこで勤務する医師からみて忙しさを基準にしてハイパー病院、ハイポ病院といってランク付けしています。ハイパーは忙しい、ハイポは忙しくないを意味します。

ハイパー病院は聖路加病院とか虎ノ門病院とか聖隷浜松病院とか沖縄県立中部病院とかが有名です。各都道府県に1〜2つくらいあります(都会部はもっとある)。あと、徳洲会グループもハイパー病院としてのイメージが強いですが、病院によってかなり異なります。徳洲会の湘南鎌倉病院などはハイパーだと思いますが、大阪の徳洲会や名古屋徳洲会とかはハイパーな感じではないと思います。ハイポ病院は無数にあります。大学病院などはだいたいがハイポです。

さて、このハイパーとかハイポとかの基準はありません。自分がハイパーだと思えばハイパーですし、ハイポだと思えばハイポです。ただ、先に挙げた聖路加病院とか虎ノ門病院とか聖隷浜松病院とか沖縄県立中部病院のような病院は、おそらく99%の医師や医学部生が”ハイパー病院”と感じるのではないでしょうか。

有名ハイパー病院で見学した時の話

研修医=病院の雑用をやらされる忙しい人、というイメージがあると思います。その通りだと思います。そして、ハイパー病院の研修医ともなるとその忙しさたるや殺人級・・・と想像するひとも多いのではないかと思います。

自分は2つほど先に挙げたような日本を代表するようなハイパー病院を見学しました。

ひとつの病院はハイパー病院ではあるものの、科によってかなり忙しさが違う様子でした。忙しいと言われる科に見学したのですが、たまたまその日はあまり忙しくなく、8時頃に行われるカンファレンスが30分程度で、残りの午前中は病院のラウンジでコーヒーを飲みながらマッチングや病院の待遇などを色々質問しました。正直なところ『ハイパー病院の研修医ってこんな自由時間あるのか!?』と驚きました。もちろん、常に午前中にコーヒー飲んでるほど楽な日はないようですが、その研修医は『ハイパー病院と言えどこんなもんだよ・・・』と言っていました。

もうひとつのハイパー病院の話です。こちらの病院はさすがに午前中コーヒーをゆっくり飲んでいる時間は無かったですが、仕事と仕事の合間に20分程度の空き時間があったりして、その時間に研修医のたまりばで休憩していました。そこには常に5、6人の研修医が入れ替わり立ち替わりするような感じでした。中には1時間くらい寝ている人もいました。もちろん、担当患者が急変したら大変なのでしょうが、そういうことは稀にしかおこらないみたいなので『ハイパー病院っていまいちハイパーじゃないな・・・』と感じてしまいました。当直も働き方改革とコロナの関係ででかなり数が減っており、また、数年前までは支払われなかった残業代がいまは出るようなので給料的にもかなり改善されたみたいです。

要はつまり

一般的に言われているハイパー病院といえど、中を見てみると思っていたよりもハイパーでない場合が多いような気がします。確かに、ハイポな病院よりかは確実に忙しいとは思います。しかし、ハイパー病院のイメージはハイポ病院の職員が形成しているわけで、ハイパー志向な人間からするとそのイメージはちょっと違和感を感じるのだと思います。