今クールのドラマはなんと2つも法医学のもがあります。実は『科捜研の女』も半分法医学みたいなものなので3つあると言ってもいいかもしれません。

法医学は医学生には不人気

一般的にドラマなんかでは法医学ものは人気ですが、医学生に法医学はまったく人気がありません。

医学部の3年生か4年生あたりで法医学の講義があるのですが、出席している人数は劇的に少なく閑古鳥がないています。

法医学は司法解剖や中毒死の研究、親子鑑定などのDNA研究などが含まれます。一番有名なのは司法解剖だと思います。講義も司法解剖の症例を題材に異状死や突然死などの特徴を解説する、というものです。

正直なところ、医師は病をもった患者を相手にし、死んでしまえばその時点で医学的な仕事は終わり・・・と思っている人が多いと思います(もちろん遺族へのケアは仕事として含みます)。

死んでしまった後の死体現象(死斑、死後硬直など)を覚えてどうする?死んでしまった人は戻らないよ?なんて思っている人が多いのではないでしょうか?

講義は解剖中の臓器の画像もふんだんに使われますので気分を悪くする学生もいるようです。そんなこんなで医学生は法医学に興味がありません。

法医学ドラマの面白さ

法医学ドラマは面白いと思います。自分も以前放送していた”アンナチュラル”は毎週楽しみにしていたくらい好きでした。

今回の2つのドラマの”サイン”の方はかなり面白いだろうと期待しています。

もうひとつの”朝顔”はマンガである程度読みました。けっこう面白いけど盛り上がりに欠けるかな・・・と個人的には思っています。

法医学ドラマの共通点として『法医学者が事件捜査に協力する』という描写があります。

法医学者と警察官がともに捜査を行い、事件を解明していく・・・この過程が法医学ドラマの面白さです。

しかし、実際の法医学者は基本的に捜査に協力しないようです。現場に行くことも原則ないそうです。そんなことしていたら仕事にならないそうです。

希少人種である法医学者

そんなこんなで医学生から法医学は人気がないので、法医学教室に入局する医師は天然記念物レベルらしいです。

各医学部に5〜10年にひとり入局する人がいるかいないかのレベルらしいです。なので、どうしても医学部教授になりたい!というひとは法医学者を目指してみるのもいいかもしれません。ライバルが驚くほど少ないです。

よく聞く職業『監察医』

それと法医学に関連してよく聞くのが『監察医』です。

監察医は東京、大阪、神戸などの一部の地域にしかいません。

これらの地域で起こった『犯罪事件性は無いが解剖するべきである異状死体』を解剖するのが監察医です。

例えば、表面の観察してもわからない、死後CTをとってもわからない、病院にも通ってもいない・・・でも根拠不明の異状死体。こういったものが監察医に回ってきます。

こういった死体の中には致死的な感染症(可能性は低いがエボラ出血熱だったりSARSだったりMERSだったりする)の可能性があり、そのような場合は早急に緊急自体宣言しなければなりません。

例えば、中東に出張したサラリーマンが帰国後、自宅のベッドで死んでいた。外傷など見た目では異常はみられない。こんな死体があったとして、単なる突然死で警察が片付けて、でも本当はMERSでした、警察官も罹患してスーパースプレッダーとなってパンデミック発生・・・なんてこともあり得ます。

こういう公衆衛生的な側面を監察医はもっています。また、事件性はないと思っていたが、解剖を行うことで新たな事実が判明し、刑事事件に発展・・・なんてことも監察医の解剖ではありえます。

個人的には監察医の方がドラマにした方が面白いと思います。アンナチュラルの舞台は半官半民の監察医事務所みたいな設定でしたね。