もう既に病院見学を10以上してきました。すればするほど新たに見えてくる世界があるのでけっこう面白いです。

初期研修先としての病院探し

医学生における病院見学とはつまり初期研修先の病院を見定める行為であると言えるだろう。これが初期研修医になると後期研修の病院探しとなる。

初期研修医はおしなべて忙しいものである。であるからして初期研修医をしている時にに後期研修医先の病院見学に行っている時間はあまりないと言えるだろう。

だから、医学生時代に後期研修医を見越した病院見学を行なっていくことは非常に重要である。

でないと『後期研修よくわからんから、大学の医局に入るかなぁ・・・』なんて思考停止に陥りかねない。

後期研修とは

後期研修とはつまり専門医を取る過程であると言えるだろう。

後期研修を行うには各都道府県に割り当てられた診療科ごとのプログラムに登録しなければならない。

ここで難しいのは全ての病院の診療科がプログラムを持っているわけではないということなのだ。

プログラムをもつためには指導医の人数や施設の基準などがあり、これを満たさないとプログラムが認可されない。

通常、基幹病院と連携病院というグループに分かれており、基幹病院がプログラム責任施設となり連携病院を束ねていくことになる。

この基幹病院とか連携病院というのは病院単位ではなく診療科単位で認められる。つまり、◯◯病院は内科、外科、産婦人科、小児科の基幹病院ではあるが、整形外科、麻酔科、泌尿器科は連携病院である・・・ということが生じる。

ということは、初期研修先が自分の行きたい科の基幹病院であると、後期研修医として採用の確率はほぼ100%だし、なにしろ引っ越し等が必要ないので公私共々シームレスな移行ができる。

基幹病院と大学医局

都心部の有力大学(東大、京大、阪大、九大、東北大、慶応)などは有力病院を関連病院として影響力をもっている。だから、特に東京などで後期研修をするならば大学医局に入局した方が何かと便利そうではある。もちろん、大学医局に入らずともプログラムには申し込めるであろうが、医局員の方が有利だろう。

特に、都心部のマイナー系(皮膚科、耳鼻咽喉科、眼科)などはシーリング(都道府県に割り振られたプログラムの定員)があり、プログラムに採用されるのはかなり激戦である。そもそも、マイナー系プログラムは大学病院か大学病院に準ずるような規模の市中病院にしかないのだ。この市中病院もほとんどが医局絡みであると考えられるので首都圏でマイナー科の後期研修医になるなら入局は必須と考えられる。そうでない穴場があったら教えてもらいたい。

これが地方となるとぽつりぽつりと大学とは関係のないマイナー科プログラムがある。もっと田舎になるとほとんどすべての診療科で入局が必須となる状況である。

入局を考えない医学生

医局入局を考えていない学生は医学生時代にしっかり後期研修を見据えて病院見学をする必要がある。もっといえば、医学生時代に後期研修のための病院見学をするべきである。