一般の大学生からすると医学生には弱点がなさそうな気がします。本当にそうなのでしょうか?

ペーパーテストには強い

医学生だけあってペーパーテストには滅法強いです。ただし、本気を出した時だけです。よくいる医学生で『運転免許試験に落ちる』というのがあります。本気出せば絶対合格できるようなテストなのですが、ナメているので落ちる医学生も多いです。また、そういう『医学生なのにバカ』をギャップ売りする人も一定数います。

ノンテクニカルスキル

医学生の最大の弱点はノンテクニカルスキルに乏しいところです。

ノンテクニカルスキルの定義

ノンテクニカルスキルとは、コミュニケーション、チームワーク、リーダーシップ、状況認識、意思決定などを包含する総称であり、専門的な知識や技術であるテクニカルスキルとともに、チーム医療における安全や質の確保に必要なものです。

つまり、チーム医療に限らず、チームではたらく際のリーダーシップやコミュニケーション力です。

医学生の多くはリーダーシップがありません。責任を負いたくないし、誰かを指示することや指示されることを嫌います。こういうのが全くできません。

医学部生活でリーダーを決める場面が多々ありますが、いつも同じひとがリーダーです。もう決めるのすら面倒なので、いつもリーダーやるひとが率先して立候補します。

一般的な医学生はノンテクニカルスキルよりも、勉強で得られるテクニカルスキルを好みます。これは自分のペースでやれるからです。上にも記述したとおり、リーダーとか他人を動かすような立場は嫌います。

チーム医療のリーダーは医師

なんだかんだ言ってもチーム医療のリーダーは医師です。医師以外でも良いとは思いますが、患者さんの各種判断を行える資格をもつのは医師なので、医師がやらざるを得ません。

しかし、上段で述べた通り、医学生(=医師)の多くはノンテクニカルスキルがありません。

なので、そういう医師がいるとチーム医療はうまく回りません。たいていそういうチームは看護師さんとコメディカルのひとたちが奮闘してチームを回しています。

よりよい医療のために

いまの医療をより良いものにするためにノンテクニカルスキルの高い、または伸びる素養のある人物が医学部に入学することが大事だと思います。

その流れでは医学部の試験に面接が導入されているのは納得です。しかし、いまの面接制度ではそこまで人物を見定めることは厳しく、正常機能はしていないと言えるでしょう。