医学博士とは大学院の博士課程で学位を与えられた人です(たぶん)。

注:間違っている内容もあると思いますが、適宜自分で補ってください。

大学と大学院

医学部は大学に所属する機関であり、卒業すると学士の資格が与えられます。一方、医学博士課程は大学院に所属するもので、卒業すると医学博士などが与えられます。

医学博士課程は医学部を卒業していなくても、大学院の試験に合格すれば入れます。なので、医学博士であるけれど医師ではない人がいます。たくさんいます。基礎医学の分野ではこっちの方のひとが多いです。一方、臨床系は医師であり医学博士である人がいっぱいいます。

テレビなどのメディアで『◯◯医療大学の教授で、医学博士の◯◯さん』みたいに紹介されるひとがいますが、医学博士を持っているから医師である・・・と考えるのは早計です。その医学博士が医師なのかその他なのかはチェックする必要はあるでしょう。なぜなら、臨床的な実務を知っているか否かは大切なところだと思うからです。もちろん、医師免許もっていない医学博士の言っていることは信用ならない・・・ということを言っている訳ではないです。その人がどういうバックグラウンドであるかを知っておく必要があると思います。

医師兼医学博士の見分けかた

医者や医学博士の名刺の表記は下記の3通りがあると思います(その他の表記もあるかも・・・)。

①医学部医学科修了(医師含む) =「M.D.」
②医学部医学科修了者(医師含む)かつ医学系大学院修了= 「M.D., Ph.D.」
③医学部医学科修了していない者(非医学部修了)で医学系大学院修了 =「Ph.D.」

メディアだと日本語しか表記しないのでわかりにくいですね。

医学科修了していない医学系大学院修了者

上記の②と③の人でどちらが研究が得意か?と聞かれたら、それはおそらく③でしょう。一般にですが、医学部を卒業し、母校の大学院に入学して学位を取るのはかなり楽です(大学にもよるかも)。研究の方法や論文の書き方は教授や先輩が指導してくれますし、臨床系の研究は基礎系と比べ楽です。学位授与の査問も母校だとなあなあで、かなり緩めです。一方、医学科を卒業していなくて医学系大学院に進学した人は基礎系が多く、こちらは臨床系と比べかなり難しいものとなってます。しっかりと勉強し、研究を行わないと学位が取れないでしょう。

M.D., Ph.D.は『足の裏の米粒』とも言われ、学位は取ってもあまり意味がないけど、取らないと気持ち悪いもの・・・と表現されています。ですが、学位自体にはあまり意味がないらしいのですが、持っていないと病院の要職に就けないだとか、高度な手技を求められる臨床的手技ができない(優先順位が低くなり、いつまでたってもやらせてもらえない)こともあるようです。大学病院や基幹病院で出世したい人は学位は必須かもしれません。