加納裕三氏の『外来待ち時間長い問題』の提起でお願いしたいこと

とりあえず頭の中で考えてるだけじゃ前に進まない気がします。

門外漢の思考実験

ちょっと前にツイッター上で大論争になった「病院待ち時間長すぎる問題」について考えたいと思います。

病院実習でいろいろな病院を回っていますが、病院での待ち時間は長いというのは事実だと思います。長いというのはほとんどの場合、外来のことだと思います。外来の裏側とかをみていますと、業務が非効率というところはあるにはあります。もう少し効率よくすれば待ち時間は”もう少し”減るかな・・・とは思います。あくまで少しです。

病院での外来は驚くほどいろんな人がきます。予約しても時間通りにこなかったり、遅刻したり。来ていても診察室に呼んでもなかなか来ない、トイレ行ってるなどなど。様々な年齢の患者が来ますので、マイペースな人、せっかちな人、色々います。

最近の世の中ですと、介護施設からきた患者が施設のスタッフと外来にくるなんてのはよくある光景です。もちろん、診察室に入ってきた時はスタッフがスタッフなのか家族の人なのかわからない状況ですので、その確認から入っていきます。もちろん、そのスタッフがどれくらい患者のことを担当して理解しているのかも確認していきます。また、認知症がある人が患者の場合、質問してもなかなか良い回答が得られないことも多く、外来時間は時間がかかってしまいます。

ツイッターで波紋をおこした加納裕三さんはそれなりの会社のそれなりの立場の人間のようです。最先端のテクノロジーにも精通してそうです。そういう人に多いと思うのは「テクノロジーで何でも解決」的な発想です。それができる業界ならば良いのですが、医療業界はなかなかテクノロジーとは相性が悪いと思います。もちろん、だからといってテクノロジーを導入しなくていい、という訳ではないですが・・・。

こういった人は是非とも1日でもいいので病院実習をしてみてもらいたいものです。その上でアイデアを出してもらって、そして現実世界の医療を変えていってもらいたいです。たまにしかいかない病院で非効率的なものを発見して、これみよがしにツイッター上でイキリ散らして「俺の病院改革案」だけを思考実験的に脳内案をだされても現場の医療者はため息が出るだけです。ネット上で「病院待ち時間長い問題を考える良い機会になった」と自己満足していないで、これをビジネスチャンスととらえて取り組んでもらいたいものです。