実際のカンファレンスはドラマとは違う

先日ドクターYシリーズがやっていました。このドラマや本家ドクターXではカンファレンスシーンが毎回ありますが、実際のカンファレンスとはかなり異なります。

カンファレンスはもっと事務的!?

大学病院で実習をしていると週に何回かカンファレンスが開催されます。外科であれば手術に対する事前・事後の情報共有目的。内科系であれば入院してきた患者と入院中の情報共有が目的です。カンファレンスというと医療者以外ではなんのことかよくわからないと思いますが、とどのつまり部署内での『情報共有』です。どういう状態の患者がいて、どういう治療方針で進めていくのか?を担当医が部署内のメンバーにプレゼンします。そこで、患者の診断の方向性に間違いがあったり、もっとやるべき検査があったり、治療の方針がおかしかったりすると、上級医につっこみが入ります。こうすることによって、すべての患者にキチンとした医療を提供することが可能になります。

ドクターXシリーズのカンファレンスでは大勢の外科医が集まっていますが、実際にはあんなに人数がいる科は無く、多くても20人程度かと思います。なので、あんなに広い会議室でカンファレンスをするなんて恐らく日本全国探してもないような気がします。そして、カンファレンスで『この手術はこの私をご指名ください!』的なことはまず無いのではないでしょうか?カンファレンスの前に、というか、最初に外来で担当になった時に手術まで担当するのが通常だと思います。そもそも、カンファレンスでは自分の担当の患者をプレゼンしますので・・・。

実際のカンファレンス

実際のカンファレンスでは科の一番えらい科長(部長)を中心に准教授あたりはキチンと聞いていますが、そのほかの人たちはあまり聞いていなく、自分のプレゼンが来るのを待って脳内シミュレーションをし、自分の番が終わるとホッとして居眠りしたりしています。実際はカンファレンスで方向性が変わることはほとんど無く、情報共有に終始しています。カンファレンス資料を作る過程で上級医に相談しながら作りますので当然といえば当然です。上級医のプレゼンはだいたいにおいて間違いがありません。逆に言えば『こういう患者にはこうする』というのがかなり決まっているので、個人によるオリジナリティはほぼ無しといってもいいかもしれません。学生の立場からすると『カンファレンスって本当に必要なの!?』なんて思いますが、実際どうなのでしょうか?