前回のエントリー
『効率化に走った結末』にちょっと似た記事を書きたいと思います。
腹腔鏡手術全盛期
現在は腹腔鏡手術全盛期といった時代といってもいいような気がします。
だいたいの腹腔にある消化器系の臓器の手術の多くは腹腔鏡下にて行われています。
僕が見学にいった病院(7つ)でも開腹手術はほとんどありませんでした。20の手術があったら1回くらい開腹手術がある割合でした。
たまたま自分が見にいった病院が開腹手術が少ない病院だったのかもしれませんが、全体として開腹手術が激減しているのは事実なようです。
腹腔鏡手術とは
腹腔鏡手術を簡単に説明すると『お腹に穴をあけて先端にカメラがついた棒やハサミがついた棒を突っ込んで患部を処置する』手術です。
一般的な開腹手術よりも侵襲度合いが低く、患者の負担が少なく体力回復が早いといったメリットがあります。
お腹に二酸化炭素を充満させて機械を動かすので、意外に術野が広かったりします。
胸の部分に使う胸腔鏡というものもありますが、自分はまだ見たことがありません。胸部の肺とか心臓は開胸手術が多いような気がします。心臓は開腹じゃ無いと無理だと思う。
開腹手術が少なすぎて・・・
世の中の開腹手術が少なすぎて、開腹手術ができない外科医も増えてきている、という話を見学先病院の外科の先生から聞きました。
確かにこんだけ腹腔鏡手術が多かったら、腹腔鏡の手技は磨けるかもしれませんが開腹手術のテクニックはなかなか得られません。
なので、外科医になるならば開腹手術を一年に何回行なっているか?というのも病院選びの一つになりそうです。
救急などの場面では緊急開腹手術を求められることもあります。
そこで『腹腔鏡は得意だけど開腹できないんですわ😅』とかってけっこう恥ずかしいのかな・・・と思います。
やっぱり、新旧含めて広い範囲での手技を身につけたいと思っています。
ロボット手術
実はこの世にはロボット手術というのも存在します。
しかし、ロボットが勝手に手術を行なってくれるものではありません。
腹腔鏡に似たシステムです。
腹腔鏡手術では、先端にカメラが付いた棒とかハサミが付いた棒とかを人間がマニュアルで動かします。一方、ロボット手術ではその棒をロボットが動かします。また、術者は専用のコックピットのような機械の前に座り、目の前の大画面で見えている術野をもとに手術を進めていきます。
この方式であると、術者は患者のそばにいる必要がありません。なので、遠隔での手術も可能になっています。でも、実際、遠隔手術をやっていることは少ないのでは?と思います。
日本にあるロボット手術用のロボットの商品名はda Vinciといいます。
このda Vinciを使うとただで少ない出血量がもっと抑えられるらしいです。
ロボット手術とは言え、全自動でロボットが手術してくれるものではありません。このようなことができるロボットもいつかは開発されるのでしょうが、まだまだ先の世界のようです。