歯磨きと口腔癌

口腔内や顎の骨付近は歯科医のテリトリーなのですが、勉強をしないわけではありません。口腔内の疾患についての感想です。

口腔に癌がある人に多いのは・・・

口腔の疾患については主に癌を勉強します。勉強は症例に基づいて行うことが多いです。

疾患のアウトライン→患部の画像→追加説明と進んでいくパターンが多いです。

そこで口腔の癌をもつひととに共通なのが口腔環境が悪い人です。

口腔環境が悪いとはつまり虫歯が多かったり、そもそも歯を磨く癖がないひとをさします。

銀歯がぎっしりある人や、何年も歯を磨いていない人(歯が溶けてしまって何本も残っていない)人に癌がよく発生しています。

もちろん、しっかりと歯磨きをして口腔環境が良い人でも癌にはなると思いますが、圧倒的に数は少ないものと思われれます。

癌以外にも重要な口腔環境

実は口腔内の環境は癌以外にも重要だったりするようです。

研究段階ですが口腔内の菌が脳に達して炎症を起こすことでアルツハイマー病を誘発している・・・なんて論文もあるようです。まだ、正式に因果関係がはっきりしている訳ではないので何とも言えないところですが面白い研究だと思います。

アルツハイマーだけでなく、食道癌や胃癌にも口腔環境は影響する模様です。

特にアルコールを飲んだ後、きちんと歯を磨かないで寝てしまうと、アルコール分と雑菌が混ざった唾液が食道や胃を刺激し、細胞の癌化を招く・・・とも言われています。

癌を防ぐには!?

結論としては『きちんと毎食後、歯を磨く』これにつきます。もちろん、歯を磨いただけでは完全に予防できるわけではありませんが、かなり罹患率は下げられると思います。

普段、歯を磨くのは虫歯や口臭を防ぐためと思いがちです。『口腔内の癌を防ぐ』と思えばさらに歯を磨くモチベーションが高まるかもしれません。