同じ手術でも執刀医によってやり方は違ってくると思います。ですが、どのくらい違うのでしょうか。ちょっと疑問に思ったのでとある先生に聞いてみた。
ガンに放射線
手術とは多少異なるのだが放射線治療について考えてみます。
ガンに対しては外科的手術、抗がん剤などの化学療法、放射線を使った放射線療法があります。
放射線療法はガン組織に放射線を照射してがん細胞を死滅させる治療です。
手術では取りきれないようなガンや広範囲に広がってしまったガンなどに適用があると考えていいと思います。
放射線を照射する機械にはリニアック、ガンマナイフ、サイバーナイフ、陽子線を使ったやつとか色々あります。
正直、この領域の知識・技術の進歩は目覚ましく、外科手術よりもいきなり放射線治療やった方がいいケースも散見されます。
自分だったら、自分や近しいひとがガンになったとき、状況によっては放射線を進めますね。それほど進歩している。
ただ、医学界的には放射線科よりも外科が圧倒的に強いので、放射線の方が効果が良い結果が出てても外科が『俺たちが主役だから。』的な感じで一蹴されるケースも多そうです。
放射線治療が日の目をみるのはもう少し時間がかかりそうです。
放射線治療医に聞いてみた
放射線治療医に『この症例の場合、どこらへんまで放射線照射を行うか?』という調査を行なった調査があったようです。
それをみると、放射線科医によって照射する範囲はかなり違っていました。
相当に広い範囲を照射するひと。
照射する範囲をギリギリまでせまくするひと。
その中間くらいのひと。
あきらかに必要のないエリアにも照射しちゃっているひと・・・etc。
それぞれ想いがあっての治療なのでどれが正解で間違いかはわかりません。
なので、同じ症例であっても担当する医者によってかなり結果が違ってくるのも納得です。
外科医では?
では外科的手術ではどうでしょうか?
前章のような調査があるのかどうかわかりませんので、なんとも言えませんが、個人的な見解では『外科医によって取り切るガンや周囲の組織量は異なる』と思います。
これまで病院実習等で30は超える外科手術を見てきました。
もちろん、みなさん術前に決める方針としては同じだと思うのですが、いざ切るとなると思う通りには行かないと思います。
やっぱりお腹の中は開いてみないとわからないですし、脂肪のつき方なんてのひとつで見え方も変わりますし、切りやすさとかも変わってくるそうです。
なので『みんな同じように切ろうとは思っているが、内臓の個性が個々にあるから外科医の技術等によって切り方・切る量は異なってしまう』という感じです。
ここらへんが外科医の本当の技量のような気がします。
切るべきところを最小限にして取り切ることで患者への体の負担を最小限にしつつ、ガン組織等をもれなく切りさる・・・まさにゴッドハンドですね。