留年生の精神的闇

医学部において留年はごく普通にありふれたものであり、学年に留年経験者は10人以上いても不思議ではない。今回は留年生のこころの闇にせまっていきたい。

友達が少なくなる

留年すると友達は少なくなる。

同期入学したみんなは自分をおいて上の学年にいってしまうからである。

部活などでつながっている同期入学者とは継続して付き合いは続くが、それ以外の人間とは疎遠になりがちである。

しかし、考え方を変えれば新たに120人くらいの同期入学者が増えることになるのである。

うまく立ち回れば2学年分の人数と友達になれる機会となるのである。が、うまく立ち回れるような器用な人間は留年生に少ない。

もう一度同じ勉強をする

医学部では留年するとその年の単位は0になる(実習科目を除く)。だから、座学の科目はもう一度同じことを学ぶことになる。

これは思っている以上に精神的にきつい。

自分は絶対にやりたくない。ただでさえ試験ラッシュ期間になると体力も精神もすり減るので、なるべくこういう体験は少ない方がいい。

医学部に講義は毎年微妙なマイナーチェンジをしているので、去年配られたレジュメはそのままは使えない。なので、毎回講義に参加する必要がある。

また、人間とは怠惰な動物である。

『一度受けた講義だから適当に出席して試験前に勉強すれば大丈夫。』という具合になる人が多い。

そして、今年も本試験を落とし、再試に回る。

そういう人が多いのが留年生の特徴である。

留年生の扱い

新しい学年にうまく溶け込める留年生ならば良いが、たいていはそういう人付き合いに器用な人間は留年生にいない。

留年生は留年生同士で固まる傾向がある。教室も最後列の端が定番である。

講義もサボりがちであるし、授業態度も芳しくないケースが散見されるため、留年してない同級生からは『やっぱり留年する人ってああいう人よね』的に白い目でみられがちである。

だから、残念にも留年の憂き目に合ってしまったが、本来は真面目な人間性をもった医学生はそこらへんの人からの見られ方を大事にする。

先日体験した経験

自分が先日経験したことを書いておく。

ある学年を2回留年した同期入学で同じ部活だったの友達(部活は1留目で辞めた)からガン無視された。

詳細な状況を説明すると、大学の長い廊下を歩っていたら向こうからその友達がきた。

ちょっと立ち止まって少し話をしようと思って、話しかけようとしたら、目も合わさずにそのまま通りすぎてしまったのである。

状況的に気づかなかったとは言えないので、意思的な無視である。

本人の色々複雑な心中は察するけど『そりゃないだろ・・・』というのが本音である。

同じ部活だったときはけっこう遊んでいたし、二人で飲みに行ったこともある。留年してしまって以降は確かに絡む時間も減ってはいた。

それでも存在がいないかのように無視されるのは辛かった・・・。そんな精神状況だともう一年留年してしまうのではないか・・・という余計な心配をしてしまった。

これから医学部に入学しようと思っている皆さん、留年だけは避けましょう。