医学生は在学中に壮大な量の医学を勉強します。
今回は医学の勉強について語ってみたいと思います。
勉強する科目
一年生・・・基本的には教養科目
二年生・・・基礎医学
三年生・・・基礎医学+臨床医学
四年生・・・臨床医学+臨床手技+CBT
五年生・・・病院実習
六年生・・・病院実習
基礎医学には生理学、生化学、微生物学のような基礎的な学問が含まれます。一方、臨床医学は整形外科学、消化器外科学、耳鼻咽喉科学などが含まれます。
難易度は?
一般的にどの医学部でも基礎医学はそれなりに難しいとされています。
”難しい”をもう少し噛み砕くと『試験範囲が広い割には実習などで時間がとられ、勉強時間が確保できない』という感じです。
難解な数学の問題のように、本質的に難しいわけではないので、時間に余裕があれば全く問題ありません。
逆に臨床医学はだいたい簡単です。
その理由は突き詰めると『難しくして学生から嫌われると入局する人数が減る』というところが大きいです。
臨床手技(OSCE)も基本的には簡単です。
CBTというのは医学生のセンター試験みたいなもので、医学部の座学授業の全範囲をカバーしたパソコンで行うテストです。
どの大学でもだいたい4年に行なっており、年々開始が早まっています。
思ったよりも簡単です。
勉強してて悩むこと
どの勉強もそうなのですが『どこまでしっかりと勉強するか』で悩みます。
正直なところ、どこまでも勉強すれば良いのですが、どこまでやっても大学の期間ではマスターできる量じゃないので終わりどころに難渋します。
試験と関係ないところを極めても試験に落ちてしまっては意味がありません。かといって、講義でやったところだけだと少し物足りません。
医学生の上位10%くらいはほとんど遊ばす、ひたすらに勉強している勉強猛者です。
勉強すること自体は素晴らしくて良いです。しかし、勉強のしすぎでコミュニケーション能力に乏しい人や自己の勉強時間を削られたくがないために種々の雑仕事を他人に押し付ける性格の悪くなってしまうのは本末転倒です。
こういう勉強至上主義層を批判しようものなら『わたしよりも成績の悪いお前が何を言う!!』と一括されてしまいます。
彼らの中では医学的知識がある人が一番エラいのです。なので、将来、臨床の現場に出ても、患者さんそのものを診察せずに教科書的な病気そのものしか診察できないような気がします。
『僕の方が医学的知識があるので、患者さんの意見なんて聞く必要無い』なんてことを言うような医師になると思います。
なので、あまり勉強一辺倒にならずにきちんと抜くべきところは抜いてバランスの良い人間性を形成するのが良医の条件、な気がします。
トラック一台分?
よく『医学部で勉強する参考書を全部集めるとトラック一台分になる』みたいな言説を良く聞きます。
これはちょっと多すぎで、せいぜい一般的な5人乗り乗用車のトランクにおさまるくらいだと思います。