関連病院(ジッツ,sitzen)については以下の記事で少しふれた
今回は関連病院の詳細を記述してみたいと思う。
1病院≠1医局である
ある病院が関連病院として大学の医局に支配されている。普通に考えると、院長以下すべての診療科が医局に支配されている・・・と考えると思うが、それは違う。
あくまでも関連病院の単位は診療科なのである。
つまり、ひとつの病院において整形外科・・・東大関連病院、麻酔科・・・東京医科歯科、眼科・・・日大のように複数の大学医局が関連病院となっているケースがある。
もちろん、ひとつの病院において全ての診療科がひとつの医局に支配されていることもある。
複数の医局が混じり合った病院だと働きにくそうだなぁ・・・と思う。実際、複数支配の病院だと診療科同士の関係が不良の場合も多く、そういうケースだと患者さんをたらい回しにする確率も上がる。
医局と無関係な診療科
ほとんどの診療科が関連病院として支配されているが、その中で関連病院として支配されていない診療科が存在したりする。
そういう場合、その科の運営は原則的に病院が中心となる。医師の採用も病院側が直接行える。ただ、人を集められなかったらその科が配科になる。麻酔科が廃科になってしまうと常に非常勤のアルバイト麻酔医を採用しなくてはならないので大変だ。
なぜこういう医局と無関係な診療科が存在するのかというと、正直わからないが、ひとつ言えることは『医局が関連病院としての権利を放棄する』ということがある。
医局が関連病院としてメリットが無くなったり、医局人員が足りなくて医師を派遣できなくなったり等で医局が関連病院の権利を手放すことがある。
このような場合、いったんは他の大学医学部の医局が引き継ぐことが多い。しかし、関連病院を手放すということは旨味がないからであり、引き継いだ先もすぐに手放すケースが多いだろう。そうなると医局とむ関連のフリーの診療科が誕生する。
医局は便利である一方、運営は難しく、医局に入ったもののその体質が合わなくて辞めていくものも多い。そういった医師たちの受け皿となっているのがフリーの診療科である。
フリーの診療科で運営がうまくいっているところはその診療科のトップ(部長とか)が医師としての力量が高く、かつマネジメント能力に優れたひとがいる可能性が高い。