今年の中間公表

2021年度の医師臨床研修マッチングの中間公表がされました。中間公表とは「当該病院を第一志望として登録した学生数」の公表です。

自分が応募した病院の人数は例年通りという感じでした。周囲の反応も同じような感じでした。マッチングの各種データは大きく変動しないというのが自分の感想です。去年はコロナの関係で地元(出身校都道府県)志向よりの応募動向があったような気がしますが今年はどうでしょうか。m3の医師臨床研修マッチングの市中病院・大学病院(分院)ランキングをみると東京の病院がやや人気を落とし、各地方の有力研修病院の人気が上がっているような動きが感じられます。依然として東京一極集中傾向は変わりませんが・・・。

中間公表の意味合い

中間公表の意味合いは結構難しいものがあります。中間公表後に志望順位を変更することも可能です。中間公表の意味合いは「その年の当該病院の人気度」がわかることじゃないかと思います。中間公表は第一志望している人の人数なので第二希望以下はカウントされていません。要は「その病院に絶対入りたい」と思っている人が何人いるのか?を表しています。実際にエントリーする人数は最終結果後に発表されますが、中間公表の人数推移と過去の総エントリー数を比べることで、今年のそうエントリー数を予測することができると思います。つまり、中間公表の数は前年より増えれば、総エントリー数も増えるという計算です。

ですが、中間公表も総エントリー数も実際のマッチングアルゴリズムにはそんなに関係がありません。なぜなら、病院から自分が何位に設定されているかがマッチングにおいて重要だからです。極端な話、中間公表が自分一人で「志望者少ないから余裕だぜ!」となってもアンマッチする可能性はあります。なぜなら、その病院を第一希望にしなかったけど、結局その病院にマッチするような学生がたくさんいたら、自分の病院からの順位が低かったらアンマッチです。

ただし、倍率が2倍を超えるような人気病院では第一希望に登録した人のマッチが多くなるでしょうから(そういう病院を受ける人は努力してるからそういう群から採用されると思う)中間公表の人数はそれなりに重要かもしれません。ただ、そういう層は人気病院をいくつか併願していると思うので、中間公表も総エントリー数も数字だけでは意味合いは何とも言えないと思います。結果的にはこのような層は「第一希望ではないかもしれないが、どこかの人気病院に採用される」と思います。

A病院 定員30人 応募者90人
B病院 定員30人 応募者90人
C病院 定員30人 応募者90人

例えば単純化して上記のような3つの人気病院があったとします。ここで応募者の90人は同じ学生だとします。ひとつの病院で考えると倍率は3倍です。しかし、最終的なマッチングで考えると倍率1倍です。

なので、個別の病院の倍率も重要なのですが、学生がいくつも併願するような人気病院の定員に対して何人の学生が志望しているのかが重要な要素となってくるのですが、これを把握するのは現状の情報公開では難しいです。

最終的に大事なのは・・・

採用試験でどれだけ好順位を取れるようにするか?と、きちんと順位登録を期限内にすること。これだけです。後は待つしかありません・・・。