116回の正答率データ(図左)を昨年(図右)と比較。
大半が過去問から構成されるピンク部分(正答率90%以上)は増加し、合否を分けやすいブルー部分は昨年と同数でした。
イエローで囲った部分は捨て問で、ここは次回以降の対策として覚えればよいだけです。受験生が当日に得点できる必要はない。 pic.twitter.com/kkDesXjiwH
— medu4穂澄 (@medu423) February 8, 2022
医師国家試験予備校の戦国時代へ突入か?
116回医師国家試験受験感想
結果から言うと恐らく医師国家試験にはパスしていると思われる。
みんコレで禁忌肢判定もしているけど、いまのところ一問も選択していないと思われる。
受験後の感想としては「疲れた・・・」である。本当に疲れた。一問一問に重みがあり、緊張感のある戦いであった。ツイッター上では今年の国試は『難しかった・・・』はたまた『結局、例年通りの難易度』というような声が多いが、自分の感覚では「難易度軽度上昇」だ。特に1日目の一般・臨床問題(Aブロック、Cブロック)の難易度が高かったと思う。2日目はおおむね例年通り。必修は例年通りかやや微妙に難化というところか。
Aブロック・Cブロックは5つある選択肢が3つまでは余裕で切ることができて、残り2つがどうしても選択できない様な問題ばかりであった(正解を2つ選べ問題では選択肢2つ切れて残りの3つから1つが切れない)。僕は問題を解きながら「回答に絶対的自身が無いものをカウントする」ということを行なっていた。つまり、問題を解きながらその問題が不正解の可能性があるならば、問題番号の横に『1』『2』『3』・・・のように番号を振るのである。そうすると、全部答え終わったら、そのブロックのその時点の自分なりの自己採点ができているのである。で、1日目のAブロックは55/75、57/75、合計112/150(74.6%)。過去の合格ボーダー得点率70~72%を考えればギリギリというところである。が、あくまで己の根拠だけの自己採点であるし、2日目にコケたらボーダー以下になってしまう得点だ。しかも、自分は難しいと感じているが、全体としては例年通り〜簡単に感じていればボーダーは74%くらいになっても何らおかしくないので、1日目の終わった時点では合格可能性は50%程度と感じていた。
医師国家試験では医師国家試験予備校が運営する『講師解答速報』なるものがある(各社やっている)。特に”講師速報”は当日中に講師解答を出すほどの速報性がある(今年はCブロックは間に合わなかったようで翌日になった)。もちろん、受験生の解答入力も当日から行うことが可能で、各問題の選択肢の選択占率がリアルタイムにわかるのである。僕は1日目の講師速報はやらないと決めていたが、難化が自分自身だけなのかをどうしても知りたくて、知らなければ不安になってどうしようもなくなったので即日の入力を行った。その結果Aブロックは57/75(76%)であり、集団の立ち位置としても悪くなかったので安心した(ちなみに必修は90%であり、自己採点とほぼ同じであった。この時点で必修の恐怖・不安はなくなった)。ただ、Cブロックは2日目のお昼くらいに確認ができ、まだまだ油断できない状況ではあった。
2日目。Dブロックであるが、A・Cブロックと同じくらいの難しさであった。やっぱり解答中の自己採点は57/75(76%)であり、確実な安心が得られる状況ではなかった。昼食休憩中にCブロックの講師速報結果が出た。57/75(76%)であった。この時点で解答中の自己採点の感覚と講師速報との乖離があまりないことに気づく。つまりは『自分が正解と確信できれば正解してるし、自信がなければ間違っている』ということである。さて、次は必修のEブロックであるが、これは無難に乗り切る。そして最後のFブロック。Fブロックはそれまでのブロックと異なり、問題がかなり簡単と感じた。選択肢が切りやすく、過去問を解いている感覚であった。Fブロックは2時間30分の試験時間であったが、1時間も経たずに終わってしまった。自己採点は63/75(84%)であった。最終的な講師速報のデータは記事の冒頭に示した通りだ。自己採点と講師速報の得点感覚を感じておくのは国試で重要な点であると思う。
117回医師国家試験を見据えた感想
ツイッター上では某予備校講師が新時代の医師国家試験方針(過去問一辺倒では苦戦する)を高らかに宣言しており、一方、過去問原理主義であるmedu4は『これからも過去問である』と宣言している。
自分はmedu4を活用して医師国家試験勉強をしてきたし、hzm先生が好きである。しかし、117回以降の医師国家試験は過去問一辺倒では苦戦する時代が到来すると感じた。もちろん、過去問が最重要コンテンツであることには違いない。
国試がインフレして、過去問では通用しなくなってきた
とかいう言葉を信じて、むしろ過去問を疎かにした人間こそ落ちていくんだよなぁ— ダンベル (@dumbbell594) February 7, 2022
細かいツッコミで申し訳ないのだが『過去問では通用しなくなってきた』ではなく『過去問だけでは合格が厳しくなる』時代がくるのだ。これは最新の116回を受けてきた自分が感じる本音である。確かにKSR先生の言う通り115回くらいから流れの変化を感じるのである。『過去問研究に特化し、効率化だけを主眼にした受験テクニックだけでは合格させない』という作成委員の先生のメッセージを感じるのである。
冒頭の埋め込みhzm先生のツイートはデータとしては正しいのだが、あのデータをもってして『捨て問対策は要らない。やっぱり過去問』というのは危険だし、それを信じるのも危険だと思う。受験者の90%が正解した問題が自分にも簡単に解けるとは限らない。実際、自分も正答率90%台、80%台の問題をたくさん間違えている。正答率90%の問題を落とさないのは過去問も捨て問対策もバッチリの一部のトップ層合格者だけなのだと思う。
もちろんmedu4でも合格は全く問題ないですが、medu4の講座とmedu4の過去問データベースだけでは苦戦すると思います。medu4と並行してQBの解説部分を熟読して、ミニコラム的なものもきちんと読み込んでいかないと、安心して合格できる得点をえることは難しくなっていくと思います(もちろん、変化は時間をかけてゆっくりと)。