外科医がやる気ないオペ看にバク切れして、オペ看泣き出すアクシデント
— 教祖ちゃん🙏🏻 (@mokomoko_tanuki) September 11, 2020
どんな科でも医療はチームで行っていると思います。最近思うのですが、チーム医療って言うと仲が良さそうですが、一皮剥いた中にはドロドロの人間関係があるような気がします。
チーム医療とは?
外科でも内科でも医療はたくさんの職種が参加して運営されています。医師をリーダーとして看護師、薬剤師、技師、事務スタッフ、中枢部門、清掃員などなど。
できればひとつの職種はひとつの職種で完結できればシンプルで良いのですが、それでは医療はできません。小さなクリニックだって医師一人で運営するのは難しいと思います。
患者の情報をみんなで共有しコミュニケーションを取りながら、各々の仕事を進めるのがチーム医療です。チームの全員が『患者の病気を治す』というひとつの目的に集中できれば難しい話ではないのですが、人間なので色々な想い(仕事のやる気、取り組み姿勢)や能力が違ってくるので一筋縄ではいかないようです。
医師は優しくなければならない?
チーム医療の中で医師は中心的な役割を担います。実質的なリーダーは一番患者と接している時間が長い看護師なのかもしれませんが、治療や診断や検査などの決定権は医師が担いますのであくまで中心は医師だと思います。なので、看護師や技師などに指示を出すのは医師になります。当然に指導的な立場になるでしょう。
ドラマなどの影響で一般的には『多くの医師は看護師やコメディカルを怒鳴りつけている』ようなイメージを持っている人も多いかもしれません。しかし、いつも怒鳴って怒っているような医師はほんの一握りです。自分はひとりくらいしか見たことがありません。『医師に対して怖い態度をとる医師』はたくさんいます。こういう怖い先生は通常、コメディカルに優しいですが、やはりコメディカルとしても畏まってしまうのは当然です。
医師の仕事は診断や治療を決定していくのに加え、医師でなければできない手技・処置があります。例えばその最たるものは手術です。手術そのものは医師でなければできません。手術は医師にしかできませんが、手術の準備のほとんどは看護師やコメディカルが行います。手術中の手術以外のサポート(メス渡しなどのサポートなど)はすべて看護師とコメディカルです。
ここでちょっと考えてみましょう。
いつも偉そうで医師以外の職種を怒鳴り散らしている外科医がいたとします。こういった人がいたらまわりから恨まれるのは当然のことです。恨みが積もり積もったらどうなるでしょうか?そうです『やられたらやりかえす、倍返しだ!』の世界になります。例えば手術でいっつも外科医に怒られている機械出し(メス渡したりする人)の看護師だったらどういう反撃にでるでしょうか?これは想像の範疇ではありますが、患者に感染をおこさせるようなことをすると思います。具体的には、無菌的に行われる機械出しの作業で不潔な細菌を紛れこませる、というものです。外科医などの術者と同様に、機械出しの看護師もしっかりと厳密に手洗いして手袋をし、滅菌ガウンを着て業務にあたります。手術室では清潔エリアという部分しか触れることが許されません。意外にもこの清潔エリアというのはせまく、清潔な手術台や清潔なカート、身体では胸から上腹部くらいのエリアの滅菌ガウンしかありません。これら以外の部分を触ると『不潔』という状態になり、また一から清潔になるように手洗いなどをやり直さなければなりません。さて、機械出し看護師が細菌をメスに紛れ込ませるならどうしたらいいでしょうか?それはマスクを触ればよいのです。マスクを含め顔は不潔なエリアです。手術場のカメラの死角を確認し、外科医やその他のスタッフに気づかれないようにマスクをベタッと触るだけでOKです。もっとも、それだけで感染が必発するかどうかはわかりませんが、確率は高くなります。万が一、マスクを触ったのがバレてしまっても、わざとではなく、つい無意識でやってしまった・・・となれば大きな処分はないのではないでしょうか?
こういったように、医師は医師以外の職種に恨まれると反撃を容易にされてしまいます。なので、少々のことがあっても怒ることはなく『優しい先生』を演じざるを得ません。本当に性格が悪く、やられたら死ぬまで粘着しそうなレベルの医者がいたらいつも怒鳴り散らしていても反撃はされないような気もします。
チーム医療の皮の下
以上のようにチーム医療といっても、その内実はなかなかドロドロとしたものもあるのが現実です。しかし、現実にはそもそもとして心の優しい医師も多いですし、性格の悪い医師がいても許せる範囲内で納まっているのでほとんどの医療現場ではそれなりに回っているのだと思います。