効率化に走った結末

iPadとかアップルペンシルなど便利な機器が色々とある昨今です。特に医学部生はこういった機器を駆使して、いかに紙媒体を持たずに電子化を推し進めるか?に命をかけている人が多いです。

とにかく電子化

講義で配られたレジュメを配られた瞬間、写メってなんかのアプリに入れてApple Pencilで記述できるようにしている人を多く見かけます。

机にMac、iPad、iPHONE、をかばっと置いてカタカタとタイピングしながら講義を受けている人もけっこういます。

人の勉強の仕方にケチつける気はないのですが、こういう効率化に走っている人に『まだ紙媒体持ってるの?重くない?』みたいなどうでもいいことを言われるので非常に不快です。

自分もMac、iPad、iPHONEを持っていますが講義中にはどれも使いません。

配られたレジュメにボールペンで書き込む、というオーソドックスな方法をとっています。

アップルペンシルなども便利だと思うのですが、細かい表現はまだまだボールペンの方が勝っていると思います。いまの技術水準だとボールペンの方が効率的だと思いますね。

効率化のピットフォール

効率化を求める人に共通なのは『古いやり方を全否定する』というものだと思います。

ボールペンで紙に書くことや、紙で情報を整理することを”時代遅れ”とし、軽くバカにしてくる傾向があります。

ただ、効率化を求めている人って常に電源が必要なんですよね。バッテリーは長寿命に年々なっていますが、電源なしで2~3日フルで使えるなんて機器はありません。

なので、電源のない環境になると文句を言い出します。ここのカフェはコンセントも無いのかよ!的な・・・。

要は電源の無い環境に適応できない人が多いです。とはいえ、手があるのですから、ペンさえあればいくらでも勉強などはできるのでしょうが・・・。ノートはもってないから書いてアウトプットする勉強はできないかもしれません。

効率化を求める人の未来

臨床の現場に話をふってみましょう。

例えば麻酔科です。麻酔科では気管挿管の際に喉頭鏡を使って行います。この喉頭鏡はかなりアナログな機械です(ググってみてください)。

一方、今の時代はビデオカメラ付き喉頭鏡というものがあるのでこれを使えば気管挿管はかなり楽です。

効率化を進める人はビデオカメラ付き喉頭鏡しか使わなくなるでしょう。旧式の喉頭鏡なんて古くて非効率的だ、という風に。

でも、喉頭鏡は(恐らく)日々使っていないと使いこなせない機械だと思います。

なので、ビデオカメラ付き喉頭鏡しか使ってない人は喉頭鏡を使えなくなります。

そして、全ての病院のすべての手術室でビデオカメラ付き喉頭鏡があるわけではないと思うので、こういった効率化信者は仕事をできる場所が限られてしまいます。

『いまのこんな時代にビデオ付き喉頭鏡ね〜のかよ、終わってんな!』とか言いそうな気がします。

新旧使いこなしてなんぼ

新しいテクノロジーを使いこなすのも必要なことだと思いますが、同時に古いやり方も精通している方が幅広い業務を行えると思います。

医療業界は情報通信のレベルもまだまだ発展途上ですし、扱う人たちの新しい機器への適応力もそこまで高く無いと思います。

なのでいろんなバージョンの機器を使いこなせる医師が重宝されるんではないか?と思っています。