日本に存在している病院は関連病院か非関連病院かに分かれる。関連病院というのは既にご存知かもしれないが『大学病院』の支店みたいなものである。

大学病院は大企業である

医療界も民間企業と同じように規模別に大企業・中小企業のように分かれているといっていいだろう。

例えばトヨタやメガバンクのような売り上げも良く、従業員も多く、各地に支店をもっているような企業と大学病院は似ている。大学病院の院長はトヨタの社長みたいなものだと言って良いかもしれない。

各大学病院は診療科ごとに支店を持っている。それは市中にある病院である。基本的にはその大学病院が所在する都道府県内の市中病院である。

それではその都道府県内のすべての市中病院が支店か?と言われると、そうではない。その都道府県に医学部がひとつしかなければ、多くの病院はその医学部の大学病院の支店である。

東京の様な国立医・私立医が大量にあるようなところは入り乱れている。首都圏では東大と慶応医の支店が圧倒的に多い。ちなみにこの支店のことを関連病院という。

非関連病院

ここが関連病院を語る上でむずかしいところなのだが、すべての病院がどこかの大学の関連病院と言う訳ではないのだ。

まず、○○市立病院とか国立病院機構○○病院みたいな国や地方自治体が経営しているような病院や赤十字・済生会の様な病院の多くは関連病院化されているところが多い。

一方、徳洲会病院の様な私立の病院は関連病院化されていない(徳洲会でも一部の病院の一部の科では関連病院化されている、という)。

また、前述の自治体病院においても科によっては関連病院されているが、ある科においては関連病院されていないという状況もありえる。

そして、ひとつの病院において複数の大学の関連病院となっているケースもある。

医局とは・・・

この大学病院を頂点とした支店網で働きたい場合、まず大学病院に就職しなければならない。これを医局に入局する、という。

医局に入局すると大学の教授の采配によってどの支店で働くかが決まる。どの病院に行くかによって経験できる症例も違うし、報酬も違ってくる。

医局入ろうと思っている医学生はその医局が持っている関連病院がどこなのかを考えればいいのだが、医局に入るつもりがない医学生の場合、よくよく調べなければ自分のキャリアが形成が難しい。なぜなら、自分が経験したい症例を積めるような関連病院でない病院を自分で探すしかないからだ。

であるから、医局入局を考えていないものはどこの病院のどの科がどこの大学の関連病院であるかを知ることは重要である。

『いいな!』と思った病院があったとしてもどこかの病院の関連病院ならば、そこの医局に入局しなければならないからだ・・・しかも入局してもその病院にいけるかはわからない。

有名病院について

自分が知っている限りだが、聖路加病院や亀田総合病院などの都心部の有名病院は非関連病院であるケースが多い気がする。逆に地方の場合は有名か否かに関わらず関連病院である可能性が高い。

いずれにしても、どこかの出版社が全国の病院の関連病院網を調べて冊子にして欲しい。